東洋ライス「世界最高米」 ギネスに認定

東洋ライス㈱(本社=和歌山市黒田・東京都、雜賀慶二社長)は、「世界最高米」と名付けた1箱840㌘(6合分)入りの米を1万800円(消費税・送料込み)で、一般消費者向けに通販サイト上で販売し、6月29日からの5日間で30箱を完売。これを受け「世界最高米」は7月11日付で、1㌔1万1304円の「最も高額なお米」としてギネス世界記録に認定された。

ギネス世界記録公式認定証授与式は27日、東京都文京区の東京ドームホテルで行われた。

雜賀社長(82)は、国内でも「世界最高米」の引き合いが多い現状を受け、「海外で健康志向の高い富裕層への需要があると確信している」とあいさつ。さらにTPP問題にふれ、海外の米との競争について「日本の米は粘りがあっておいしいというだけではなく、環境に優しく体に良いという付加価値が必要」と強調。食味の良い玄米を農家から高値で買い取ることで「日本の農家や水田を守りたい」と話した。

「世界最高米」は、昨年11月の「第17回米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高位を受賞した18点の玄米の中から、さらに同社が厳選した6点に、「熟成」「精米」「ブレンド」「無洗米」などの加工技術を加えて機能性を高めた米。個包装(1袋140㌘)6袋が化粧箱に詰められている。

同コンクールで2年連続最高位を受賞し、「世界最高米」に玄米を提供している新潟県の「南魚沼塩沢産こしひかり」の生産農家、関智晴さん(31)は「本当に頑張って米を作っていても、農家にはそれを披露できる場があまりない」と現状を語り、雜賀社長が展開している事業について「農家にはとてもありがたく、やりがいや夢が生まれる。夢があると後継者も育ちやすい」と期待を話した。

東洋ライスを20年以上取材している「月刊食糧ジャーナル」編集部長の鶴田裕さん(55)は雜賀社長について「発明家の面が強く、金と時間のかかることもやる人。商品開発や経営の姿勢は最初から変わらない」と話し、「世界最高米」については「東洋ライスがこれまで開発してきた独自技術のシンボルとなる商品」と評した。

雜賀社長にギネス世界記録認定証を手渡した同公式認定員のジャスティン・パターソンさんは、「世界最高米」の認定について「一般消費者に受け入れられたことが評価された」と強調した。

ギネス認定証を手にする雜賀社長(左から5人目)と認定員のパターソンさん(同4人目)、玄米提供の農家ら

ギネス認定証を手にする雜賀社長(左から5人目)と認定員のパターソンさん(同4人目)、玄米提供の農家ら

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