消費伸ばす施策を 山積課題に結論出す時

石田 真敏

参議院選挙が終わり、党人事・内閣改造では二階先生が和歌山県初の党幹事長、世耕先生が経産大臣、鶴保先生が内閣府特命大臣に就任されました。和歌山から三名の方が同時に要職に就任されたわけで、喜ばしい限りです。ご活躍を心から祈念申し上げます。

さて、おかげさまで安定政権を維持できました。以下のような課題に腰を落ち着けて取り組むべきと考えます。

第一は、消費低迷の構造的な問題です。

①現在は成熟社会であり、かつての三種の神器や3Cのような国民的需要はなく、消費は伸びません。新しい技術で新しい製品やサービスを作り出してこそ、消費は伸びます。まさしく成長戦略を加速することです。

②人口減少社会では消費は伸びません。少子化対策によって人口を安定させることです。

③団塊の世代が大量に退職しつつある状況では、消費は伸びません。人生100年時代を迎える中、健康な間はフルタイムでなくとも働ける環境を整えることで、多少でも生活に余裕が生まれ消費が伸びます。

④年収300万円~400万円の間に既婚・未婚の大きな分岐点があり、非正規労働者や若年層の低所得では結婚もままなりません。結婚できなければ子どもは産まれず人口減となり内需が縮小する負のスパイラルに陥ります。結婚と出産が最も大きな消費の契機であるだけに、「結婚できる賃金」が得られる低所得対策で消費を伸ばすことが可能になります。

⑤地方を再生しなければ、消費は伸びません。それぞれの地域で知恵を出した地域総合戦略を中心にさまざまな施策を行い、地方創生を成功させ地域を活性化することです。

以上のような構造的な課題への対応が、消費拡大と景気の下支えになります。

第二は、持続性のある社会保障制度の構築です。

社会保障費の歳入は、保険料・税での補填・借金での補填以外にはなく、もはや上限に近いと思います。一方の歳出は、高齢者の増加とともに、IPS細胞の進展や報道されているような3500万円の肺がん薬や700万円のC型肝炎薬など、医療費の高額化が見込まれます。

歳出超過に陥る可能性が高い状況で、国民皆保険をどのように維持していくか、抜本的な国民的議論が必須な時です。

第三に、「第四次産業革命」など大変革期がいよいよ現実味を帯びてきました。日本経済をけん引し国民生活の水準を維持するため、成長戦略として全力を挙げて取り組むことが最重要課題です。一方「産業革命」特有の陰の部分やさまざまな変化に適切に対応して、国民の生活や社会の安定を図っていかねばなりません。さまざまな面で世界をリードしていくことが極めて重要です。

第四に、以上の取り組みを実現するには、現在の省庁体制では無理があると思います。

社会保障や労働問題を所管する厚労省、地方自治と情報通信などを所管する総務省、さらに国土交通省などは、1人の大臣で対応するにはあまりに巨大すぎます。また、技術革新の著しい現状を見ると、科学技術分野が経産省や文科省、総務省などに分散していることは不適切です。時代の大変化に機敏に対応するには、省庁再編が必要だと考えます。

第五は、衆参のあり方の根本的な見直しです。

選挙のたびに一票の格差を議論し選挙区を変更するのではなく、憲法改正を伴いますが、衆議院と参議院がそれぞれどうあるべきか、そして国会議員はどのように選ばれるべきか議論すべき時だと思います。

以上のように、景気対策、社会保障制度、技術革新、行政改革、政治改革など多岐にわたり、喫緊の課題が山積しています。結論を出していかねばならない時を迎えています。

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