近現代史の連続講座始まる 日中友好協会

激動の日本近現代史を巡って多くの解釈が錯綜する中、国際的視点を踏まえて日本の歩みをたどる勉強会「講座日本の近現代史―明治維新から安保体制下の現在まで―」が24日、和歌山市三沢町の市中央コミュニティセンターで開かれ、中高年を中心に約20人が参加した。

日中友好協会県連合会(橋爪利次会長)が主催。全6回で構成され、第1回の開催となったこの日は同連合会副会長で元中学校校長の谷口幸男さん(美浜町)が「明治維新―近代国家の成立―」と題して解説した。

谷口さんは近代国家の大きな特質として、市民革命と産業革命を通じた民主主義体制と機械制工業の成立を指摘。具体的に日本では、天皇を国家の中心とし、近代憲法や議会を備えた立憲君主制の成立と、地租改正や官営工場の払い下げを通じた資本主義の育成が生じたと説明した。

明治10年代に全国各地で起こった自由民権運動について、谷口さんは県内の状況にふれ、全国的には士族や豪農、地主などが運動の中心を占めたのに対し、和歌山では小作人や奉公人なども一部参加するなど、平等性が見られたと話し、当時の新聞記事を紹介した。

参加した海南市の幡川文彦さん(79)は「明治に入り、近代天皇制が社会にどう浸透したかに関心を持ちました。自身の体験と照らし合わせて考えることもでき、有意義な時間でした」と話した。

次回は9月28日に同会場で「産業革命の進行と日清・日露戦争―資本主義国家の成立―」をテーマに開かれる。参加費500円。申し込み不要。

問い合わせは同連合会(℡073・424・6531)。

解説する谷口さん

解説する谷口さん

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