全国大会で個人・団体W入賞 西和中相撲部

和歌山市立西和中学校相撲部が、近畿、全国の両大会で好成績を収めた。石川県で開かれた「第46回全国中学校相撲選手権大会」では、花田秀虎君(3年)が個人2位に輝き、団体戦では全国の強豪がひしめく中でベスト8に進出するなど“西和旋風”を巻き起こした。直前の「第65回近畿中学校総合体育大会相撲競技」は団体戦で3位となり、中学相撲界で西和中の存在感が増している。

西和中相撲部は、市内中学で最多の部員数を誇り、厳しい部内競争の中で猛練習を重ね、全国大会の出場権を懸けた7月の県予選で個人・団体ともに優勝。全国大会への前哨戦として臨んだ近畿中学総体(8月9日、県営相撲場)では、団体戦の準決勝で県内のライバル、箕島中(有田市)に大将戦で惜敗し、3位に終わった。

近畿大会の悔しさを胸に臨んだ全国大会(8月20~21日、石川県津幡運動公園体育館特設相撲場)では、花田君、藤井聡一郎君、加藤諒君の3年生3選手で団体戦に挑み、予選を2勝1敗で通過。前年は敗退した決勝トーナメント1回戦では、南河原中(神奈川県)と対戦し、花田君がガスマン・サーシャ君に敗れるも、藤井君、加藤君が奮起し、連勝。若草中(栃木)にも勝ち、準々決勝に進んだ。

準々決勝の相手は、激戦区の熊本県を勝ち抜き、個人優勝の草野直哉君を擁する宇土鶴城中。チームの総合力では上回ると見られていた西和中だったが、1勝2敗で敗れ、全国制覇はならなかった。大将として出場し、浴びせ倒しで敗れた加藤君は試合が終わった瞬間、悔しさと膝の痛みのため土俵から一歩も動けず、会場には担架が用意されるなど、騒然とした雰囲気に包まれたという。

団体戦終了後に行われた個人戦では、膝に痛みを抱える加藤君が1回戦で敗れたものの、花田君が4勝を挙げ、2位に輝いた。同中OBで自身も全国大会に出場経験がある高木大幹コーチ(24)によると、個人・団体の両部門で入賞を果たしたのは同部史上初の快挙という。

花田君は「目標の全中横綱になれず悔しい。団体戦で敗れた宇土鶴城中の選手に個人戦決勝でも敗れ、力の差を感じた」と話し、高木コーチは「本来の力を出し切れず、勝負の難しさを感じました。日本一は逃しましたが、部の歴史に残る結果を出せてうれしいですし、生徒たちは本当によくやってくれました」と選手一人ひとりの頑張りに目を細めた。

“西和旋風”の立役者となった3年生は大きな大会がこれで最後。相撲部での生活を振り返り、中学入学後に相撲を始めた三崎新太郎君(3年)は「練習で筋肉がつき、近畿大会で全勝するまでに成長できました。指導していただいた先生に感謝しています」と話し、高木コーチは「彼の相撲に取り組む姿勢は素晴らしく、全国大会でもサポートに活躍してくれた。今後が楽しみです」と3年間の努力をたたえた。

顧問の秋田祥子教諭は、全国大会スローガン「君の夢 努力の蕾 北信越で華となれ」の一節にふれ、「生徒たちは北信越の華になりました」と話し、目を潤ませた。

団体8強に進出した西和中相撲部

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