最先端技術を国民のために トルコ・JAXAなど訪問

鶴保 庸介

 トルコに行ってまいりました。クーデター騒ぎのあと、日本の閣僚としては最初のトルコ訪問で、各国が相次いで訪れている中、日本だけが、という状態のようになりつつあることを回避できたことは大変意味あることでした。主たる用向きは日本とトルコの宇宙開発の協力関係を強化することでありましたが、現地では上の意味で、「日本の閣僚来る」とばかりに大きく取り上げられておりました。やはりトルコはわが和歌山県のエルトゥールル号のことを皆が口にしてくれる、親日の国でありました。

 ただいつまでも、エルトゥールルばかりではいけません。事前通告もなしに軍が戦闘機やヘリを出して国会議事堂や放送局にミサイルを発射するなど、言語道断です。民主主義を武力で封圧するなどもってのほかです。このことに対して強く憤る、そして私たちの国はその価値観を共にする現政権を支持する、とだけ言ってまいりました。新しい時代の友好に先鞭をつけられたなら幸甚に思います。

 また、トルコ出張に先立ち、つくばに視察に行ってきました。まず、物質・材料研究機構(NIMS)では、LED照明の省エネ・長寿命・小型軽量化の研究開発や、ジェット機のエンジンに使われている鋳造タービン翼の燃費向上・CO2排出減など、私たちの身近な物から飛行機まで、さまざまな分野において世界トップレベルの研究や開発が行われている様子を目の当たりにしました。また、構造材料研究分野では、建物の耐震技術の一つとして、制振ダンパーに形状記憶合金を使った耐震建築構造の研究開発も行っていました。このような技術をどんどん企業と協力して社会に広げていけるよう、必要な手立てを打たねばなりません。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターも訪問しました。JAXAはロケットの開発・打ち上げ、国際宇宙センター「きぼう」や人工衛星の開発・利用など、宇宙に関した研究や技術開発が行われているのは皆さんもご存じだと思います。24時間体制で人工衛星や「きぼう」の追跡管制や交信を行っている管制室で宇宙飛行士の星出さんにさまざまな説明を受けました。JAXAは、人工衛星を使った観測データによって、環境問題や自然災害に対する社会課題の解決にも取り組んでいます。

 こうした最先端の技術も現実の生活に生かされなければ、なんの意味もありません。私は今後、大臣として、こうした技術が国民の目に触れる形でより早く具体化するために何が必要か、問題点を拾い上げ、解決することに注力したいと思います。

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