漢字の墨書が土産品に人気  紀の川市の林明榮さん

紀の川市赤尾のコラージュ作家・林明榮(みょうえい)さん(63)が、ポストカードサイズの鳥の子紙に青墨で漢字を描いた土産品を完成させた。商品には林さんオリジナルの「しあわせ書体」を採用。外国人を中心に、漢字を形から楽しめるイラストが人気を集めているという。

林さんは、幼い頃からデッサンやデザインを勉強し、53歳の時にコラージュを始めた。その年、東京都美術館80周年記念・第77回第一美術展に初出展し初入選。海外でも高い評価を受け、「モナコ日本芸術祭2009」でパッション賞、フランスの「ル・サロン2010」に初出品初入選を果たしている。

今回の商品が完成するまで、約13年の月日を費やしたという。ゲストハウスでアンケートを実施し、約20種類の漢字の中から好きな漢字を選んでもらい、「夢」「愛」「武士」「母」「美」「花」の上位6点を商品にした。外国人からは、かすれた文字が評判だったため、字を描く際は毛先の傷んだ筆を使う工夫も。さらに、その漢字の古代文字を水性ボールペンであしらうなど、一枚一枚デザインの異なる作品に仕上げている。

また、和紙素材の商品説明紙を日本語と英語の2種類を添え、上質な洋紙で作ったサクラもセットにした。

今後は漢字の種類を増やしたり、和歌山の墨を使ったカラー商品の制作にも取り組む予定で、「日本、和歌山を世界に発信していきたい」と林さん。「たくさんの方の協力で完成した商品。日本から海外へ行くときのお土産に使ってもらいたい。和みをお届けできれば」と話している。

1枚500円(税込み)。商品の購入や問い合わせはホームページ(http://www.myouei.jp)で。

「和みを提供したい」と林さん

「和みを提供したい」と林さん