伝統の笑いと美を体験 狂言ワークショップ

 和歌山市伝統文化活性化実行委員会とNPO法人和歌の浦万葉薪能の会(松本敬子代表)は、狂言の基本的な所作や発声などを学ぶワークショップを開いており、来年1月の発表に向けて6人が練習を重ねている。

 これまでも単発のワークショップは開いてきたが、より本格的な稽古がしたいとの要望の声を受け、今回は初めて5回の練習と成果発表会を行う。指導は、大蔵流狂言師の善竹忠重さん(69)=神戸市=と善竹さんが主宰する「志芸の会」の狂言師が担当している。

 受講者は「以呂波(いろは)」「痺(しびり)」の二つの演目に取り組んでおり、6人のうち3人は3~6歳の子ども。稽古では、慣れない古典の言葉遣いなどに戸惑いながらも、善竹さんが示す手本に従って所作と発声を繰り返し、滑稽さや美しさを兼ね備えた演目を懸命に覚えている。

 11月は3回のワークショップがあり、12月と1月にも1回ずつ稽古を重ね、1月14日に学んだ演目を通して演じる。

 善竹さんは「皆さん一生懸命に稽古をしてくれて、うれしい。特に子どもたちが狂言に親しんでくれる姿は、将来を思うと楽しみです」と期待を寄せる。

 受講している和歌山市の高校教員、中西政治さん(43)は「自分が口伝えに狂言を学ぶことで、(学校で教える)子どもたちに日本の文化をダイレクトに伝えられるようになれば」と話していた。

善竹さん㊨の指導で狂言を学ぶ子どもたち

善竹さん㊨の指導で狂言を学ぶ子どもたち

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