教育格差や中小企業支援 衆院各委員会で質疑本格化

門 博文

 いよいよ3月18日に待望久しかった京奈和自動車道の本県区間が全線開通します。和歌山市内からも橋本、奈良以東への交通が大変便利になります。また4月1日には第2阪和国道と紀北の国道480号線も開通する予定で、ますますこの地域の交通環境が向上します。今後はこれらの交通網を活用して地域の発展に具体的に挑んでいかなければなりません。

 さて国会は2月26日に来年度予算案が衆議院を通過し現在は参議院での審議が行われています。年度内の早期成立を期すとともに一日も早い予算執行こそが地域経済への刺激と下支えになると思います。

 そんな中、衆議院では各委員会での質疑が本格化してまいりました。私もそれぞれ質問いたしましたので紙面をお借りして概要を報告させていただきます。

 まず予算委員会では予算採決に向けた「中央公聴会」にて公述人の皆さまに意見聴取をさせていただきました。経済財政政策についてお話をされた熊谷亮丸氏(株式会社大和総研執行役員調査本部副本部長チーフエコノミスト)、高橋洋一氏(嘉悦大学教授)に対してはアベノミクス、特に積極的な財政出動についてやトランプ政権の日本への影響について尋ねました。熊谷氏からは日本の成長はアジアの成長を取り込んでいくことが重要だという意見、そして高橋氏からは教育分野への積極的な財政出動を試みてはどうかという意見を引き出すことができました。また小林雅之氏(東京大学大学総合教育研究センター教授)からは給付型奨学金の導入について意見陳述があり、特に貧困による教育格差の解消について述べられました。私の方からは高校卒業時の経済的サポートも重要であるがそれ以前の義務教育時での貧困による教育格差の是正の必要性について意見を求めました。小林氏からも同意の意見をいただきました。そして最後に今井高樹氏(特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター人道支援/平和構築グループマネージャー)からは南スーダンにおける国際貢献についての意見陳述があり、今の現地の状況など実際に現場で活動している方しか分からない貴重な意見をお聴きすることができました。その中で自衛隊のPKO活動について現地の安全性などを鑑み「PKO5原則」が守られているかどうかを慎重に見極め満たされない事態が生じた場合、政府は「撤退」という決断をするべきではあるがと前置きし、PKO活動以外で考えられる日本の国際貢献は何かと尋ねました。今井氏からは和平交渉などの場面で日本にしかできない役割があるとのことでした。

 この他予算委員会分科会では経済産業省、法務省所管の分野について質疑をいたしました。まず経済産業省に対しては今、世耕大臣が先頭に立って取り組んでおられる中小企業支援いわゆる「世耕プラン」について直接、大臣に尋ねました。発注者、元請け、下請けという構図の中での実情、とりわけ取引環境における下請け、中小企業の切実な声について実際の聞き取り調査の状況の説明がありました。行政や政治はなかなか民間の商取引にはコミットメントできませんが、今回の取り組みは実に有益でアベノミクスの果実を大企業のみならず中小企業、地方にまで行き渡らせるためにも今後の積極的な取り組みをお願いしました。私も微力ながら地元の中小企業支援に全力で取り組んでまいります。

 また法務省に対しては昨年成立した「部落差別解消推進法」について現在までの政府の取り組みについて尋ねました。「県民の友」や「市報わかやま」で法律の意義や部落差別解消の必要性がすでに取り上げられていることを紹介し全国の他の自治体にも同様の広報活動を促すよう求めました。またこの後、再犯防止や保護司制度の在り方についても質問し、いずれも前向きな回答が得られました。

 今後も地域の代表として各委員会で積極的に質疑を行ってまいります。なお、これらの模様は「衆議院インターネット中継」にてご覧いいただくことができますのでぜひご視聴ください。

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