日本遺産で県の観光振興を 給付型奨学金制度が先行実施

浮島 智子

 文化庁が認定する日本遺産が4月28日に発表があり、和歌山県内からは『絶景の宝庫 和歌の浦』(和歌山市・海南市)と『「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅』(湯浅町)が選ばれました。
 日本遺産の制度は一昨年度から始まり、私は当初から県内の市町村長さんや議員さん等々とお会いした際などをはじめ、至るところで「日本遺産への申請を!」と訴え続けてきただけに、昨年の熊野灘の捕鯨文化『鯨とともに生きる』に続き、日本遺産の認定が県内3件目となり、特に今回は全国で79件の申請から17件が認定されたうち、和歌山県内で2件が選ばれたことに喜びはひとしおです。
 日本遺産は地域の歴史的魅力や特色を通じてわが国の文化・伝統を語るストーリーを認定し、そのストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形のさまざまな文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的としています。
 『絶景の宝庫 和歌の浦』は、干潟が刻一刻と輝きながら変化しゆく風景に溶け込んだ町並みに色鮮やかな和歌祭等、和歌の浦の情景は一時として同じではない。このまま持ち帰りたいと万葉歌人は和歌にうたい、数多くの文化芸術を育くんだ和歌の浦は今も人々を魅了している点が、評価されました。
 また、『「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅』は、醤油の起源であるはるか中世の時代、中国に渡り修行を積んだ僧が伝えた特別な味噌の桶にたまった汁に紀州湯浅の人々が工夫を重ね、生まれたのが現在の醤油であり、醤油の醸造業で栄えた町並みには、重厚な瓦葺きの屋根と繊細な格子が印象的な町家や白壁の土蔵が建ち並び、小路を歩けば、醤油造りの歴史と伝統が、形、香り、味わいとなって人々の暮らしの中に生き続けていることが認められました。この2件の認定により、当該地域はもとより和歌山県民皆が喜びと誇りを持って、さらなる和歌山県の飛躍的な観光振興につなげていこうではありませんか。
 教育分野について、これまで私が力を尽くしてきたことの中で、このたび実現し今年度からスタートする事業についてご報告致します。
 まずはじめに給付型奨学金制度です。本年平成29年度から特に経済的に厳しい者(私立の大学等に自宅以外から通う学生・児童養護施設退所者等)を対象に先行実施が始まりました。約2800人が給付される予定です。来年平成30年度から本格実施されます。本格実施されますと、大学等への進学者の2万人の方に給付されることになります。経済的な理由で進学を断念せざるを得ない生徒の皆さまの進学を後押し致します。ぜひ、この給付型奨学金制度を利用して、夢にむかって進んで下さい。
 二つ目は、義務教育における就学援助について、ランドセル購入など小学校入学準備のために多額のお金を用意しなくても済むように、入学前(3月以前)に支給されることが実現致しました。就学援助は、児童・生徒の家庭が生活保護を受給するなど経済的に困窮している場合、学用品や給食、修学旅行などの費用の一部を市区町村と国が支給する制度です。新入学に必要なランドセルなどの学用品の費用は支給されますが、これまでは小学校入学後に支給されていたものが、来春の小学校新1年生から入学前に支給されることになりました。
 最後に、本年度から私立小中学校等に通う児童生徒の皆さまで年収約400万円未満の世帯を対象に、年額10万円を支援して授業料減額の経済的支援を行うことになりました。私立高校生については、高等学校等就学支援金制度によりすでに授業料の減額が行われていましたが、私立小中学校等の児童・生徒には何ら支援措置がありませんでした。このたび授業料の減額支援が実現致しました。
 これからも、日本の未来を担う子どもたちの可能性を開く教育支援をさらに拡充してまいる決意です。

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