習主席と日中関係改善で一致 北朝鮮の暴挙に断固抗議

二階 俊博

去る5月13日から4日間の日程で私は自由民主党幹事長として、安倍総理からの要請を受け中国を訪問してまいりました。訪問団は私が団長を務め、林幹雄前経済産業大臣、榊原定征経団連会長、横井裕駐中華人民共和国特命全権大使、松村祥史経済産業副大臣に加え、中国との地方交流に積極的な荒井正吾奈良県知事、上田清司埼玉県知事にもご同行いただきました。
訪問中は、中国政府が主催する「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムに日本国代表として出席し、ベトナム、モンゴルの首相や国連のグテーレス事務総長とも充実した会談を行うことができました。
しかしながら、誠に許し難いことに、全世界からトップリーダーが参加する国際会議開幕式の当日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射するという暴挙に出ました。
私は、会議の席上、日本を代表して演説する機会を得ましたので北朝鮮に対し、日本として断固抗議を訴えました。世界の平和と安定を守ることは、政治に課せられた最も重要なテーマであることは言うまでもありません。昨今の北朝鮮情勢を考える上で、やはりアメリカはもとより、近隣の中国または韓国とは緊密に連携し、常に意見を一致させておくことの重要性を改めて痛感いたしました。
訪問最終日には、2年ぶりに習近平国家主席と会談を行いました。会談では、冒頭、安倍総理からお預かりした「親書」をお渡ししました。私は事前に総理から内容を伺っていましたので、異例ではありましたが、習主席にまず「親書」をその場で読んでいただいた上で、会談をスタートしました。私からは、北朝鮮情勢を念頭に日中両国がこれまで以上に緊密に連携する必要性を訴えました。その上で、本年が日中国交正常化45周年、来年が日中平和友好条約締結40周年の節目の年であることから、日中関係の全面的な改善につなげる絶好のチャンスであり、安倍総理と習主席の相互訪問を提案しました。
習主席からは日中関係強化に対して、これまで以上に熱意を感じる発言が繰り返され、両国関係改善に向けた意欲を十分に感じることができました。その場で明言こそされなかったものの、私のご提案申し上げた、両首脳の相互往来は近い将来、必ず実現するものと確信を得ることができました。
私はいつも思います。日中は隣国であるが故に常に難しい問題があることは確かです。しかしながら、隣国であるが故に協力し合えば、互いに得られるメリットは実に大きなものがあります。現に、和歌山県に訪問する外国人の数も中国からのお客さまが一番となっています。だからこそ、両国の政治のリーダーは双方の意見を一方的に述べ合うだけでなく、直接対話し、また国民同士は観光交流等を通じて、相互理解を深めることがこれからの時代に何よりも大切であると考えます。
中国から帰国後、安倍総理から「総理特使」として韓国を訪問するよう依頼を受け、6月10日~13日までソウルと全羅南道の木浦を訪問する事となりました。就任直後の文在寅大統領と直接会談をしてまいります。韓国もまた困難な課題がある一方で日本にとって極めて重要な国であります。両国関係の発展のため、微力を尽くしたいと思います。詳細は改めてご報告させていただきます。

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