名刹の歴史を一冊に 高松禅寺が冊子発刊

 和歌山市東高松の曹洞宗寺院・高松禅寺(岡本暢孔住職)の歴史をまとめた冊子が完成し、同寺の檀家向けに配布されている。

 同寺は慶長13年(1608)に紀州藩主・浅野幸長が建立。和歌山城二の丸御殿内にあった長福寺を、江戸時代中期に移設したもの。

 檀家の高齢者を中心に、同寺の歴史に興味を持った人が調査を始め、博物館などでの聞き取りや図書館の文献資料、古地図などを収集し、1年以上をかけて編集、製本された。

 冊子では、紀州徳川家以前の浅野家の時代から始まる同寺の歴史を城下町の地図などとともに振り返り、平成23年に完成した観音堂や本堂など寺内の施設や文物を紹介。車庫前と呼ばれる同寺周辺の歴史や民話、江戸時代の書籍『紀伊国名所図会』から見る城下町と寺町の解説も掲載されている。

 岡本住職は「多くの人にお寺の歴史を知ってもらえればうれしい。冊子を見てもらい、また新しい資料が見つかれば」と話している。

本尊の南無釈迦牟尼仏坐像が表紙を飾る

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