東京五輪の文化プログラム推進 観光振興や障がい者理解促進に

浮島 智子

 先月下旬に和歌山市の尾花正啓市長や京奈和・第二阪和連絡道路建設促進和歌山市議会議員連盟の宇治田清治会長、中塚隆、園内浩樹市議他のみなさんと一緒に、国土交通省の石井啓一国土交通大臣をお訪ねし、京奈和・第二阪和連絡道路の早期事業化に関する要望書を提出してきました。京奈和自動車道は今年3月に和歌山県域においては全線開通し、第二阪和国道は4月に全線が開通致しました。これにより、慢性的な交通渋滞の緩和や所要時間が短縮され、和歌山市内でも商業地の地価の上昇、企業の進出、既存企業の事業拡大など効果が表れてきており、特に地方にとっての道の重要性が再認識されています。今回の要望である京奈和自動車道から第二阪和国道までを接続させることで、①全国ネットワークから中心市街地へ直接乗り入れ②市内どこからでも、十数分程度で自動車専用道路を利用③工業地域や中心市街地のアクセスが向上することで、和歌山市内への企業進出の拡大、観光振興、中心市街地の活性化など和歌山市の地方創生に大きく寄与されます。
 さて、3年後の東京五輪・パラリンピックの開幕に向けて、多彩な文化芸術関連の行事を行う「文化プログラム」が、今後、本格的に展開されていきます。私はその文化プログラム推進委員会の党の委員長を仰せつかっております。文化プログラムの意義は、「オリンピック憲章」には、スポーツと文化、教育の融合を重視しており、五輪開催国に文化イベントなどの「文化プログラム」の実施を義務付けています。五輪は「文化の祭典」でもあるのです。
 東京大会では、文化プログラムの実施を通じ、日本が世界に誇れる音楽、演劇、舞踊、伝統芸能などの公演や、茶華道、和食、アニメに関するイベントを行うなどして、それらの〝魅力〟を国内外に発信していきます。同時に、こうした取り組みを通じて人材を育成したり、愛好者の裾野を広げるなどして文化芸術立国としての基盤を強くしていくとともに、それらを観光・産業振興などにも生かしていくという「レガシー(遺産)」の創出をめざしています。私たち公明党として、昨年、「党文化プログラム推進委員会」を立ち上げ、文化芸術関連団体などの意見を聞き、政府に文化プログラムの効果的な計画・実施に向けた要望を重ねてきました。
 ポイントは主に3点。1点目は、府省庁の枠を超え政府一丸となった推進体制の強化と十分な予算の確保です。2点目は、民間や地域も巻き込みながら〝オールジャパン〟で推進し、被災地復興の観点からの事業も行っていくことです。3点目は、障がいの有無や国籍、年齢を問わず誰もが参加しやすい内容にすることです。
 中でも、障がい者や高齢者が参加しやすい取り組みや、未来を担う子どもたちに国内外の本物の文化芸術にふれてもらう体験事業などを全国の地方議員とも連携して推進していきます。
 公明党の主張を受け、政府は文化プログラムを「五輪の目玉」(菅義偉官房長官)と位置付けるようになり、各府省庁が連携体制を構築。今年度の関連予算は前年度より増額し、取り組みを急ピッチで進めています。
 2012年のロンドン大会では、文化芸術イベントを英国全土で展開し、国の観光産業の振興や障がい者理解促進につながったとされています。こうした例も参考にしつつ、〝日本発〟〝東京発〟の成功例を発信できるよう、政府の取り組みをリードし、予算の拡充にも全力を挙げていきます。

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