シオマネキ研究入賞 海南高SSH発表会で

 文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている和歌山県立海南高校(海南市大野中、河本好史校長)科学部2年生の上野山寿希君、鳥前智和君、西野友貴君と1年生の星田航汰君、池原健君、田中悠理君の6人が、平成29年度SSH生徒研究発表会(8月9・10日、神戸国際展示場)でポスター発表賞を受賞した。同校の受賞は4回目。

 同校は、課題研究と発表を行う探究活動「SITP」や、地域社会への啓発や地域特産の研究などの「SSI」といった独自のカリキュラムを組んでSSHの活動に取り組んできた。本年度はさらに、イノベーション力を育てる活動「ACS」を盛り込んだカリキュラムで再びSSHの指定を受けた。指定は4期目、33年度までとなる。

 同校が入賞した研究発表会には全国のSSH指定校など206校と海外からの招待校が参加。各校でブースを作り、その場で発表するポスターセッションで研究内容やプレゼンテーションを競った。

 同校科学部の研究テーマは「ハクセンシオマネキ雄のwaving displayの機能を探る」。和歌山市の片男波海岸にも生息するカニの一種・ハクセンシオマネキがハサミを振る動きについて調査。ハサミを振る動きには、威嚇や求愛など特定の個体に向けた「directed waving」と、目的が不明の「undirected waving」の2種類があり、今回はundirected wavingの目的について調べた。

 実験では、ケージの中をアクリル板で三つに仕切り、真ん中のスペースを空けて片方に雄2匹、反対側に雄か雌、または両方を入れた3種類のケージを作り、干潮の前後2時間の間にハサミを振る回数や、地上に姿を見せているハクセンシオマネキの数を調査した。

 発表会では、研究方法や結果、考察を1枚のポスターにまとめた。あえて発表原稿は作らず、聞き手に語り掛けていくスタイルをとり、明るく楽しく、かつ質問には確実に答えられるように準備して臨んだ。その結果、ポスター発表賞21校に選ばれた。

 同校はこれまで、色素増感太陽光電池などの研究を深めており、ハクセンシオマネキの研究はことし初めて取り掛かった。河本校長は「研究の視点が良かったのではないかと思う。これからの発展が楽しみ」と期待を寄せ、副部長の上野山君は「表彰されるとは思っていなかったが、活動のモチベーションにつながった。もっと良い賞を目指して、研究を深めていきたい」と話していた。

発表会で使ったポスターを囲む科学部のメンバー

発表会で使ったポスターを囲む科学部のメンバー

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧