秋の政治決戦10日公示 自民・希望の対決軸

 第48回衆院選が連休明けの10日、公示される。森友・加計学園を巡る疑惑で支持率が下落した安倍政権が打って出た突然の解散劇は、小池百合子東京都知事率いる希望の党の誕生、野党第一党・民進党の分裂へと展開し、与党の自民・公明の対抗馬に希望が急浮上。県内選挙区でも自民と希望が対決し、日本維新の会、市民連合わかやまの支持を受ける共産党を含めた混戦模様となっている。22日の投開票に向け熱い選挙戦が始まる。

 県内3小選挙区に立候補予定の顔ぶれは、1区が希望前職・岸本周平氏(61)、自民前職・門博文氏(52)、共産新人・原矢寸久氏(65)、2区は自民前職・石田真敏氏(65)、希望新人・坂田隆徳氏(38)、共産新人・下村雅洋氏(62)、維新新人・栄隆則氏(53)、3区は自民前職・二階俊博氏(78)、共産新人・楠本文郎氏(63)の各氏。本紙エリアの1、2区各陣営のこれまでの戦いを追った。

1区
 岸本氏は3日に希望の公認が決定した。街頭に立つ従来の活動スタイルを軸に、ミニ集会などを開きながら支持を訴えている。街頭では聴衆から希望への合流について質問が飛ぶことは少ないとし、金融政策の改革、対話と圧力を組み合わせた対北朝鮮外交などの主張を展開し、有権者にアピールしている。

 門氏は市内各地で10人程度の地域住民とミニ集会を連日開催。地元の発展に尽くす姿勢を強調し、与党の実績を前面に押し出す。自民県連の役員は「過去2回連続で小選挙区で敗れており、追い掛ける立場。岸本氏は大きな政治的失敗がない。こちらは積極的に動いていく」と危機感をのぞかせる。

 原氏は和歌山市内各地で街頭演説。岸本氏が憲法改正や安保法制を支持する希望へ合流したことから、立憲野党の立場をより鮮明にし、憲法9条改正阻止や安保法制廃止など他党との主張の違いを強調する。

2区
 石田氏は衆議院解散日の夕方に地元入り。解散前は政務が忙しく、活動はやや遅れたが、あいさつ回りや街頭演説をこなし、有権者の目と耳にふれる活動を展開。陣営は揺れ動く選挙区の情勢を踏まえ「あまり意識せず実直に精いっぱいやるだけ」と話す。

 坂田氏は選挙区内全地域に足を運び、希望への合流の経緯について支援者への説明に奔走。朝の辻立ちや街頭演説は欠かさず「支援者からは公認が決まり安心したとの声を頂き、今後の変化について質問も多かった」と前向きに話す。

 下村氏は1週間で橋本市から有田市にかけて約50回の街頭演説や支持者訪問を実行。期待感の広がりを感じるとし、「自民の支持者が共産に傾いてきている」との手応えを語る。

 6日に立候補を表明したばかりの栄氏は、事務所や街宣カーの確保などから準備を急いでいる。

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