大人も絵本の読み聞かせ りぃぶるで開催

 大人のための「読み語り広場」が、和歌山県和歌山市手平の県男女共同参画センター〝りぃぶる〟で開かれている。子ども向けと思われがちな絵本の読み聞かせだが、プロの読み手の味わい深い語りに「日常の雑事を忘れる」「大人になったからこそ響くものがある」と静かな人気を集めている。

 4年前から年に2回開かれており、10月の広場には約20人が参加。朗読ボランティア「和歌山グループ声」の杉原光恵さん、山本美智子さん、小原智津さんの3人が「ちょっとだけ」「見てる、知ってる、考えてる」「ありがとう、フォルカーせんせい」など6冊を1時間かけてじっくりと交代で読み聞かせた。よく参加するという和歌山市栄谷の川原真理さん(38)は「自分で選ぶといつも似たような本ばかりになるが、こんな本もあるんだと毎回発見がある」という。2歳と4歳の子育て中。毎晩子どもに本を読み聞かせており、「年齢を重ねた方のやさしい語り口に癒やされ、参考になることも多い」と話した。

 絵本といっても内容は奥深く、大人にも読み応えのあるものも多い。同広場では、命の大切さや親子の愛、男女の生き方など幅広いジャンルから本を選んでいる。山本さんは「テーマを深く理解し、聞き手に伝わるような語り方、間の取り方を心掛けている。言葉の間にそれぞれ感じ取っていただけるものがあれば」と期待する。

 人から読んでもらうことで、字を追うばかりでなく絵や内容をじっくりと楽しむことができる。大人になり人生経験を重ねた今だからこそ、絵本のシンプルな内容が心に染みることもあるという。

 終了後、参加者は「子どもによく本を読んでやったが、今日は読んでもらう側で、話がすっと入ってきた」「普段は仕事で忙しいが、今日はゆっくりできた」と笑顔を見せた。

 小原さんは「大人になっても人に本を読んでもらう時間は心地よいもの。素晴らしい本がまだまだたくさんある。日常をひととき忘れてリフレッシュしに来てほしい」と参加を呼び掛けている。

 次回は12月15日午前10時半から。参加無料。一時保育もある。問い合わせは、りぃぶる(℡073・435・5245)。

読み聞かせする朗読グループのメンバー

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