甲冑の着用体験も 旧南丘家住宅を特別会館

和歌山県紀の川市粉河の市指定文化財「旧南丘家住宅」で27日までの土・日曜日、春の特別開館が行われている。

旧南丘家住宅は、江戸時代に紀州藩主が鷹狩りを行う際の餌を用意した役人「餌差」が暮らした住宅。県内では和歌山城下と粉河の他に餌差が配置されたところはなく、住宅は粉河が鷹狩りの拠点だったことを示す貴重な建造物となっている。毎年3、5、11月に公開され、5月はさまざまな五月人形が展示されている他、同市那賀地区の住民が制作した甲冑(かっちゅう)の着用体験もできる。

住宅は江戸時代に建てられた主屋と明治から大正時代に建てられた離れで構成。市文化財サポーターによると、くぎを使わずに建てられており、2階には江戸時代に鷹狩りの餌として使われたスズメや野ウサギなどを飼育していた部屋もある。

粉河寺を訪れた後に立ち寄る人が多く、入場者からは「よくここまで残っている」「梁(はり)がこんなに太いなんて」など驚きの声が寄せられ、甲冑の着用体験は子どもたちを中心に高い人気があり、カメラを持参すれば記念撮影もできる。

入場や甲冑の体験は無料。開館は正午から午後3時まで。市文化財サポーターが解説してくれる。

問い合わせは市生涯学習課(℡0736・79・3907)。

甲冑体験に関心を示す来場者

甲冑体験に関心を示す来場者

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