和市北部の太陽光発電計画に反対 考える会

 和歌山県和歌山市の六十谷や園部、直川、府中地区で計画されている二つの大規模太陽光発電施設について、反対住民らでつくる「いずみ山系の巨大太陽光発電を考える会」が5日、市役所を訪れ、自然環境を破壊する恐れのある施設の建設を許可しないよう市に求めた。

 計画は「TKMデベロップメント」が直川、府中両地区の132・36㌶で76・6メガ㍗の施設を、合同会社「サクシード和歌山」が六十谷、園部、直川各地区の74・34㌶で48メガ㍗の施設を建設するもの。

 この日、約2週間前に同会が尾花正啓市長宛てに出した要望に対する回答を得ようと、会員10人が訪問。新たな質問5項目を加え、共同代表世話人の原通範さんが改めて要望書として提出。担当する農林水産課、環境政策課、河川港湾課の各課長から説明を受けた。

 要望では計画に関し、林地開発許可に伴う市所有の里道や水路の施工に同意しないこと▽自然を破壊し土砂災害や洪水などの危険性があり、建設を許可しないこと▽排水が千手川に流入し河川環境に与える影響が大きく、沿岸自治会の同意を得ることに指導を求める――の3項目を求めている。

 これに対し担当課は「施工には水利組合の意見書等の提出で地元の同意を得ることを指導している」「条例の許可基準に基づいて厳正に審査する」などと回答。住民側からは「水路のある場所が土砂災害の特別区域になっており、たとえ調整池ができたとしても不安はぬぐえない」などの声も上がった。

 説明を受けた原共同代表世話人は「環境や災害面で不安が大きい。管理外という印象の回答もあったので、住民対業者という構図でなく、もう少し行政にも調整やチェック機能の役割を果たしてほしい」と話していた。

農林水産課の太田克弘課長㊧に要望書を手渡す原共同代表世話人

農林水産課の太田克弘課長㊧に要望書を手渡す原共同代表世話人

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