地元社会人に学ぶ 伏虎8年生キャリア授業

 将来の進路選びに役立ててもらおうと、和歌山県和歌山市鷺ノ森南ノ丁の伏虎義務教育学校で14日、地元で働く企業人を講師に招いたキャリア教育の授業が行われた。8年生(中学2年生)約70人が働くことの意義や魅力、やりがいなどを直接社会人から学んだ。

 勤労観や職業観を育み、生き方について考えてもらおうと職場体験に先立って実施。同校はキャリア教育の一環として子どもたちが地元の仕事を体験する「未来スクール」の会場になっていることから、授業は学校側が同実行委員会メンバーに依頼し、ことしで3年目の取り組みになる。

 この日はイベント運営などを担う㈱ヤマトクリエーション和歌山、ウェブ制作やデザインなどを手掛ける㈱BEE、伏虎リハビリテーション病院、㈱和歌山新報社の地元4企業が授業を担当した。

 ある教室では、「夏休みの週末に、和歌山城で子どもたちが楽しめるイベントを考えよう」と、グループごとにアイデアを出し合い、イベントの効果や予算なども検討して発表。ヤマトクリエーションの古川義高代表は「お客さんの思っていることを形にする仕事。難しいこともあるが、そのぶんやりがいがあり面白い」と語り、「学校でも、自分たちが考えたことで実現できることはあるはず」とアドバイスした。

 起業した㈱BEEの久保田善文代表は、「今ある仕事も10年先の未来は変わってくる。大きな会社でも将来あるかどうかは不確かな時代。自分自身が生きる力を身に付けるのも方法の一つ」とメッセージ。

 伏虎リハビリテーション病院の中谷匡登院長は日常の仕事に加え、カンボジアでの医療ボランティアやスポーツドクターとしての活動などを紹介。生徒たちは外科手術の基本となる糸結びにも挑戦した。和歌山新報社の津村周社長は、地方新聞社の役割などを伝え、生徒たちと一緒に和歌山の未来のまちづくりに夢を膨らませた。

 イベントプロデュースの授業を受けた石原駿也君は「大人になってからも、いろんな年齢層や性別の人に意見を聞いて仕事をするんだなと思った。やりがいのある仕事を持っているのは、すごいと思う。僕も将来は人の役に立つ仕事がしたい」と話していた。

イベントのアイデアを出し合う授業も

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