大連アカシアまつり開幕式 日中防災減災フォーラムに出席

二階 俊博

私は、5月25日から29日の日程で中国遼寧省大連市と四川省成都市を訪れ、日本と中国の発展と、両国の防災分野での協力強化を訴えてまいりました。
特に、昨年末に習近平国家主席とお会いした際に、ぜひ中国のさまざまな地方に足を運んでほしいという御助言をいただき、今年が四川大地震10周年ということもあって、成都を10年ぶりに訪問いたしました。
まず、5月26日、大連市の「大連アカシアまつり開幕式」に出席し、「『大連市名誉市民』」という栄誉を授かる身として、本日こうしてこの街を訪れ、そしてこの盛況ぶりを見ることができて大変うれしい。大連の目覚ましい発展ぶりには訪れるたびに驚かされる。観光交流は人と人との心を引き寄せる無限の可能性を持っている。日中平和友好条約締結40周年の今年、さらに機運を盛り上げていきましょう」とあいさついたしました。
また、同じ大連市で日本から首長29名を含む約600名、中国からの関係者約200名が参加して「第23回北前船フォーラム in 大連」が開催されました。国外で初めて開催されたこのフォーラムでは、かつて日本の海運を支えた北前船の歴史を知ってもらい、地方への中国人観光客誘致につなげようと、北前船寄港地として栄えた自治体などがその魅力を紹介しました。
27日には、中国南西部、内陸に位置する四川省汶川(ブンセン)県に移動し、2008年5月12日に発生し、7万人の犠牲者を出した四川大震災の被災地を訪問しました。私たちは、被災した中学校跡地の汶川大地震震中慰霊碑を訪問、犠牲となったかけがえのない多くの子供たちに思いを寄せ、黙祷。献花を行いました。
28日は成都市で開催された「日中防災減災フォーラム」に出席し、講演を行いました。
わが国も大変、地震災害の多い国です。四川大地震の際には,多くの日本人が自分の親戚が被害に遭ったように感じました。
「決断と実行」。これは、私が「政治の師」と仰ぐ田中角栄総理大臣が何度も口にした言葉です。私自身,10年前の四川大震災直後にここ成都の空港に赴き、テントや食料日用品など31㌧もの救援物資を直接届けました。少ない量でしたが,われわれの日中友好の願いを実際に行動で示したものでありました。
当時は、日本政府も緊急援助隊と医療チームを派遣しました。御遺体に敬礼する援助隊員の写真をご記憶の方も多いかと思います。当時現場で活動されたJICA、海上保安庁、消防庁の4名の方にも、ご同行いただきました。
当時は多くの日本人が、義援金や物資の支援を通じて、日中友好の気持ちを行動で示そうとしました。自然災害が多い日本と中国だからこそ、災害から尊い命を守るために互いに協力して立ち向かうことが大変重要です。両国が協力を重ね、成果を地域や世界に示していくことが大事であり、防災協力の取り組みを新しい時代の日中関係の一つの大きな柱にしていきたいと思います。さらなる防災分野での一層の協力強化を訴えてまいりました。

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧

がんばってます

月別アーカイブ