飲酒運転は許さない 根絶県民フォーラム

 飲酒運転の根絶に向けて県民みんなで取り組むことを目的に、和歌山県と県警、交通事故をなくする県民運動推進協議会は8月29日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で「飲酒運転根絶県民フォーラム」を開き、飲酒運転被害者の講演などに約200人が耳を傾けた。

 同協議会会長の仁坂吉伸知事は「県内の死亡事故に占める飲酒運転の割合が昨年全国ワースト1位になってしまった。皆さんの口からも飲酒運転をしたらあかんと伝えていただければうれしい」とあいさつ。同副委員長の檜垣重臣県警本部長は「飲酒運転根絶を重点課題とした交通事故抑止対策に力を入れている。飲酒運転による事故は昨年と同水準に発生している。県民の方の飲酒運転に対する規範意識が希薄化しているのではないかと懸念される。フォーラムは飲酒運転の悲惨さを身近なものとして考える絶好の機会だと思う」と話した。

 2000年に飲酒運転による事故で19歳の娘を亡くした被害者支援センターとちぎの和氣みち子事務局長が「飲酒・居眠運転の悪質ドライバーに娘の命を奪われて」と題して講演。「傷だらけで横たわる娘の姿を忘れることができない。一度被害者になると、被害者をやめることができない。葛藤しながら生きている」と胸の内を語り、「被害者をつくらないように、一丸となって継続的に飲酒運転はいけないということを伝えていかなければならない」と話した。

 パネルディスカッションでは田中一寿県県民局長がコーディネーターを務め、県警本部交通企画課の佐竹伸一高齢者安全対策官・交通事故分析官や県立こころの医療センターの森田佳寛院長、和氣事務局長がパネリストを務め、飲酒運転の根絶に向けて話し合った。

 佐竹分析官は「飲食時のハンドルキーパーの参加や、車で来店した人にはお酒を提供しないなど、社会全体で取り組むことが大事」、森田院長は「飲酒運転とアルコール依存症は関連がある。早めの対処が大切」、和氣事務局長は「絶対に許さないという強い思いで活動を継続することが大切」と語った。参加した海南市の池田卓司さん(69)は「人生が台無しにならないように、みんなで協力しながら減らさないといけない」と話していた。

飲酒運転根絶を訴えるパネリスト

飲酒運転根絶を訴えるパネリスト

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧