世界の流れに逆らう日本 ―どこまでも、アメリカ追随で良いのか

岸本 周平

 アメリカではプラスチックのストローを禁止する地方自治体が増えています。スターバックスやマクドナルドなどはプラスチックストローの使用禁止を宣言しました。アメリカで消費されるプラスチック製ストローは毎日、実に5億本。プラスチックごみによる海洋汚染が大きな問題になっているからです。そのきっかけは、カメの鼻にプラスチック製ストローが刺さった動画が拡散したことでした。     
 今年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で「海洋プラスチック憲章」への署名が行われました。残念ながら、アメリカと日本は署名せず、プラスチックごみ対策に後ろ向きです。これまで日本の廃プラスチックを受け入れていた中国が輸入規制を始めました。プラスチックの一人当たり使用量が世界第2位の日本は真剣にプラごみ対策を講ずるべきです。一方で、国会では海洋汚染のもとになるマイクロプラスチック削減に向けた議員立法を成立させました。環境保護団体などから、国民も国会もプラごみ問題を心配しているのに、政府は深刻な状況を分かっていないと批判されています。
 また、核兵器の開発・使用を全面的に禁じる「核兵器禁止条約」が国連で採択されて、1年が経ちました。この間、条約制定に尽力したNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受賞し、国際的な機運は高まりました。条約は122か国の賛成で採択され、計60か国が署名。その内11か国が批准しました。
 しかし、日本は条約に加わらない立場です。米国、ロシアなどの核保有国は「国際的な安全保障の環境を無視している」と反対しています。アジアではASEAN諸国が条約に賛成しており、唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶をリードすべき日本への疑問の声が高まり、日本は孤立しています。
 環境問題や核兵器廃絶の問題で、国際的な大きな流れに反しているアメリカに対して、同盟国として意見をいうこともなく、トランプ大統領との首脳間の親しい関係を言い訳に、唯々諾々と従っている日本のイメージは外交的に大きなマイナスです。しっかりと、秋の臨時国会で議論していきます。

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