打楽器奏者が妖怪と油絵 渡辺さん作品展
和歌山県和歌山市十二番丁のエムズギャラリー12番丁で、「渡辺亮展2018―見えるもの、見えないもの―」が開かれている。ずらりと並んだ精密なモノクロの妖怪画と、明るい色彩の油絵のユーモラスな組み合わせが楽しめる。21日まで。
妖怪は、各地のさまざまな伝承が江戸時代に集められ図鑑で紹介されたことで広まったと考えられており、渡辺さん(60)がそれを基にボールペンで描いた100点を展示。一方の壁面にはパレットナイフの大きなタッチで鮮やかに彩色された油絵3点が展示され、ユニークな世界を演出している。
渡辺さんは打楽器の演奏家として活動しながら、幼少の頃から興味を抱いている妖怪を世界各地に訪ねている。秋田県のなまはげに類似した祭りがスイスにもあることや、福島県で耳にした、地蔵が住民の悩み相談を引き受けていたとの話などに心を躍らせている。
「見えない音楽が風景などを想像させ、風景を描くことで、見えないものが見えたりする」と渡辺さん。「妖怪伝承のお役に立てたらうれしい」と多くの来場を呼び掛けている。
展示は午前11時から午後7時(最終日は5時)まで。
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