地球規模の防災へ認識共有 国土強靱化でアフリカ訪問

門 博文

 「世界津波の日」が11月5日に制定されて早いもので3年がたちます。今年も間もなくこの日を迎えるわけですがこれに先立ち私は党の国土強靭(きょうじん)化推進本部の一員として10月15日から4日間の日程でパリ、アジスアベバ(エチオピア)に出張してまいりました。推進本部の事務局長を務める福井前沖縄北方担当相のお供をしてまずはパリのユネスコ本部で開催された「世界津波の日」関連のイベントに参加してまいりました。「津波を始めとする自然災害が観光に与える経済損失をいかに減らすことができるか?」をテーマにパネルディスカッションが開催されモルジブやカリブ海を始めとするまさに海に面したリゾート地での「TSUNAMI」の脅威や備えに関して貴重な意見を聞くことができました。この「世界津波の日」の制定を契機に津波は世界的にも「TSUNAMI」と表記され認識されているのも改めて確認することができました。それ故にこのテーマに関してはわが国が先頭に立って果たしていかなければならない責任の大きさも痛感した次第です。ディスカッションの後、ユネスコの防災関連の幹部の方々とも意見交換をしましたが自然災害に対する関心の高さ、地球規模での対策の必要性を共通の認識として確認することができました。
 その後、深夜の便で次の訪問地、アジスアベバに向かいました。私にとっては初めてのアフリカ大陸でありましたがここではエチオピアのアフェクワ外務国務大臣とそしてアフリカ連合のアミラ社会委員との会談に同席しました。両氏とも自然災害の脅威に対する認識は高くアフリカ全体でこの問題に注力していくとのことでした。わが国では自然災害というと地震や津波、最近の台風などの風水害や高潮などを想起しますがアフリカで懸念される最も深刻な自然災害は「干ばつ」であるとのことでまさに「ところ変われば」という印象でした。かつてこの干ばつによる飢饉に見舞われ多くの命を失くしたということで私にとっては新たな認識を追加することができました。その後これに関連してアジスアベバでJICAのメンバーが日本から派遣され井戸掘削の技術指導を行っている現場にもお邪魔しました。一般的な防災対策と違った観点での対応を目の当たりにし自然の偉大さ難解さを再確認しました。適度に水を得る、この適度が過ぎても不足してもわれわれ人間は困ってしまうということです。また日本の技術が、技術者がこうして途上国や地域のお役に立っている最前線にふれることができたことは、活躍してくれている皆さんに心から敬意を表するのはもちろんのことですがそれとともに私も日本人の一人として誇らしい思いを感じることができました。私の立場で協力できることは力を尽くしてまいりたいと思います。
 さて、話を「世界津波の日」に戻しますとこの日が「11月5日」に制定されたのは広川の「稲むらの火」の伝承に基づくものです。安政の大地震時の濱口梧陵翁のあの逸話にちなんでですが二階俊博自民党幹事長が常に先頭に立って進めて来られた賜物です。今年は和歌山で「第3回世界津波の日 高校生サミット」が来る10月31日から11月1日で開催されることとなりました。日本をはじめ世界から約50カ国、約400名の高校生が参加する予定です。もちろん和歌山の高校生の皆さんも大勢参加します。若い世代の皆さんが自ら考えそして心配して津波を始めとした自然災害にどのような認識と方向性をそして行動を示してくれるか今からとても楽しみにしています。「国土強靭化」とは単にインフラを整備するということだけではなく真の「肝」は啓蒙、教育そして訓練です。是非、世界の若者がこの和歌山の地で多くの交流、思い出をつくりそしてそれぞれの誓いを立ててくれることを心より期待します。私も微力ながら頑張ります。

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