市高サヨナラで龍谷大平安に惜敗 高校野球

市和歌山は龍谷大平安とがっぷり四つの熱戦を演じたが、粘り強く投げていた先発の岩本が9回裏にサヨナラ打を浴び、4強入りを逃した。

◇準々決勝

市和歌山 0 0 3 0 0 0 0 1 0 4
龍谷大平安 1 0 0 2 0 0 0 1 1x 5

〔市〕岩本―米田〔龍〕豊田、野澤―多田▽3塁打=水谷(平)▽2塁打=柏山(市)水谷(平)

市高は1点を追う3回表、2番・下井田からの3連続適時打で3点を挙げ、逆転。なおも2死2、3塁の好機だったが、救援した龍谷大平安の2番手左腕・野澤の前に後続が倒れた。4回以降は野澤の130㌔台後半の直球とチェンジアップに苦戦。7回まで1人の走者も出せない展開が続いたが、8回に内野安打と犠打で1死2塁とすると、4番の柏山が痛烈な適時打を右翼線に運び勝ち越しの4点目を挙げた。

先発した1年生左腕の岩本は立ち上がりを1失点で乗り切ると、その後は130㌔前後の直球とカーブで打たせて取る粘りの投球。しかし終盤にはマウンド上で肩の開きを気にする動作を見せるようになり、ボール先行の投球に。8回に三塁打で出した走者を犠飛で本塁に還され同点とされると、9回2死1、3塁から149球目の直球を左翼の頭上に弾き返され、無念のサヨナラ負けとなった。

半田真一監督は4回以降沈黙した打線について「野澤投手に近いタイプの左投手に練習で投げさせ、対策はしてきたが、特に左打者は打つのが難しかった。右打者に何とかしてほしかったが」と無念の表情。2安打と気を吐いた緒方は「野澤投手は投球のテンポが早く、チェンジアップが打ちづらかった」と話した。岩本は「途中から肩の開きが早くなり、ボールが抜けてしまった。緩急をつけた投球はできたが、相手は少しでも甘くなると打たれる怖い打線だった」と話した。

龍谷大平安の原田英彦監督は「野澤は安定感があり、マウンド上での姿が大きく見えた。打線もよくつないでくれた」と選手をたたえ、好救援の野澤は「思ったより出番は早かったが、ストレートの調子が良く、いつもより球速も出ていた。市和歌山の打者はスイングが力強かったが、味方の打線を信じて投げた」と振り返っていた。

8回表、下井田が勝ち越しの生還

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