投票率の分析2陣営に温度差 知事選中盤

 25日投開票の知事選は、折り返しを迎えた。現職・新人の両陣営とも県内全域を選挙カーで回り、街頭での訴えや演説会、企業回りなどを続けている。懸念される投票率について、仁坂吉伸候補(68)の陣営幹部は「選挙ムードは低調。まだ高まっていない」と厳しさを口にするが、畑中正好候補(66)の陣営幹部は「反応はいい。40%台に乗る可能性もある」との考えを示している。

 知事選には、4期目を目指す現職の仁坂候補=無所属、自民、国民民主、公明、社民県組織推薦=と「市民オンブズマンわかやま」事務局長の新人・畑中候補=共産推薦=が立候補。連日、有権者にアピールし、支持の拡大を図っている。

 知事選の過去の投票率を見ると、最高が1951年の86・69%、最低が仁坂候補が初当選した2006年の35・21%。3人が立候補した10年は43・37%に上昇したが、今選挙と同じ2人の対決構図だった14年の前回は、39・65%に落ち込み、過去3番目に低い数字となった。

 前半戦を終え、両陣営の投票率に対する捉え方は異なる。
仁坂候補の陣営幹部は、「40%を超えるのは難しい。前回より落ちるのでは」と予想。支援者には周囲の知人らに投票を促すよう伝えているといい、「最後まで有権者に投票参加を訴えていきたい」と話す。

 畑中候補の陣営幹部は、カジノを含む統合型リゾート(IR)に対する「反対の声をよく聞いた」と分析。期日前の伸びからも投票率アップは十分に見込めるとし、「県全体に関心を広めたい」と意気込む。

 前回知事選の投票率を世代別に見ると、最も高かったのは75~79歳の60・42%で唯一60%台を記録。次いで70~74歳の59・67%、65~69歳の57・31%と、高齢世代での高投票率が目立った。一方、最も低かったのは20~24歳の21・12%。次いで25~29歳の27・54%と、若年層では低くなり、年齢層が上がるにつれ投票率は高くなる傾向が見られる。

 今回から18歳選挙権が採用されることから、県選管は若年層の投票率アップを図ろうと、従来の全世代型啓発に加え、特に若年層に訴求力のある啓発を新たに導入した。和歌山大学の学生を啓発サポーターとして委嘱し、学生が制作に関わった動画をユーチューブなどで配信。またラインやフェイスブックなどのSNSへの広告出稿、テレビ、ラジオCMを若年層の視聴率が高い番組に出稿するなど、若者の声を取り入れた啓発を展開している。

 県選管は「一人でも多くの有権者に投票に参加してもらうため、市町村と連携して啓発に努めたい」と話している。

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