フェスタ・ルーチェから見る観光 尾花和歌山市長×古澤実行委員会会長 対談

和歌山マリーナシティで開催中の光の祭典「フェスタ・ルーチェ」。冬の新たな観光スポットとなり、いよいよクリスマスシーズン本番を迎えるこのイベントの仕掛人・古澤良祐実行委員会会長と、尾花正啓和歌山市長が、イルミネーションから見えてくる和歌山の観光の展望を語り合った。2人が考える和歌山の夜とは。

尾花市長㊧と古澤会長

尾花市長㊧と古澤会長

夜の光が生み出す経済効果

 ――マリーナシティのフェスタ・ルーチェにJR和歌山駅前のイルミネーションと、和歌山の光のスポットが進化しています。イルミネーションと観光の関係をどう考えていますか?

尾花市長 和歌山市で、1995年に「JAPAN EXPO世界リゾート博」記念イベントとして「光の回廊ルミナリエ」が最初に行われた時、「こんなにきれいなものがあるんだな」と。また、地球温暖化の影響で、夏季は酷暑になっており、夜も楽しんでもらえるような取り組みも必要となってくることから、夜の魅力を高めたいと思っています。
夜が輝き、にぎやかになると、観光客の滞在時間も増え、宿泊など消費拡大につながり経済効果も上がると思います。

古澤会長 2年目になってやっとたくさんの人に知ってもらえましたが、経済効果で言えばフェスタ・ルーチェだけがうまくいってもだめなんです。夜に人が来るなら、お店を少し遅くまで営業して立ち寄ってもらったり、宿泊してもらったりすることが大切。そこにつなげていくには、長く続けて文化にしていかないといけないし、経済効果にはならないと思います。


――フェスタ・ルーチェは知名度が上がり、来場者も前年より増えているようですが、今後の計画は? 市も一緒にやってみる可能性はありませんか?

尾花市長 市の夜間景観を向上させるため、JR和歌山駅、けやき大通り、市堀川周辺などのライトアップを行い、ことしは、和歌山城内の紅葉渓庭園のライトアップもしています。
株式会社タカショーの高岡社長が、フェスタ・ルーチェを3年間続けてくれるとおっしゃっていましたが、できればさらに続けてほしいと思っています。日本遺産である和歌の浦のきれいな海岸線で、不老橋、観海閣、多宝塔のライトアップにも取り組むことで、夜の魅力をマリーナシティにもつなげたいですね。

古澤会長 光があると人は集まってきます。そこにご飯を食べる場所があって、出会いがある…そういう場所に発展すれば、街全体の活性化につながるのかなと思います。街をイルミネーションで元気にしたいですね。

尾花市長 2021年春には、現在予定している大学が全て開学し、人数も増えて、若い人が街中に増えてきます。学生と文化・歴史の街になっていくのではないかと思います。学生や市民がまちに愛着を持ち、訪れる人も増えればありがたいです。

 

2020年もっと輝くまちへ

――和歌山市の観光にどんな展望を持っていますか?

尾花市長 2020年度までには、新市民会館、南海和歌山市駅、さらに大学が次々と完成します。また、大阪万博開催の2025年までには、和歌山城の大奥・能舞台や和歌浦、加太など飛躍的に魅力が向上します。加えて、夜間景観を重視することで、多くの観光客が訪れる魅力あるまちづくりにつなげていきたいと思います。

古澤会長 ことしのフェスタ・ルーチェは前回より地元企業の協力体制を得ることができました。一人でできないことも、何社か集まると大きなことができるようになって、そんな元気なところには人が集まってくる。フェスタ・ルーチェが元気な街のきっかけになり、和歌山が光の街になるための協力ができたらと思います。
「光でつなぐ和歌山」をぜひ実現させたいです。2025年の話題も出てきてワクワクしてきましたね。

尾花市長 その2025年に向けて官民連携して、より一層にぎわいのある和歌山市になるよう取り組んでいきたいと思います。
2020年、2025年と和歌山は大きく変わり、輝くまちになります。