避難所の物資情報 和商が楽天スクール入賞

高校生が楽天㈱(東京都世田谷区、三木谷浩史社長)のサービスや技術を活用して地域課題の解決策を立案するプログラム「楽天ITスクール・ネクスト」の成果発表会が都内で開かれ、和歌山県立和歌山商業高校(和歌山市砂山南、花本明校長)3年生のチーム「Show You Power」が、参加校の生徒が選ぶ「student賞」を受賞した。同校の入賞は2年ぶりとなった。

同校では商業科目の「電子商取引」を受講する3年生32人が、楽天社員のアドバイスを受けながら、8月から「南海トラフ大地震に対する防災・減災」をテーマに、班に分かれて地域課題を調査し、解決するアイデアを考えた。11月に校内選考を行い、選ばれた同チームが全国10校による成果発表会に出場し、他校の生徒や審査員を前にプレゼンテーションした。

代表となった同チームのメンバーは、洞望実さん、古川美結さん、門多怜奈さん。防災士から実際の避難所運営の話を、県や和歌山市の防災担当部局からは備蓄や支援物資の対応などについて話を聞いたことを基に、避難所で不足している物資の情報交換ができるサービスを提案。楽天市場のアカウントを使い、自分のいる避難所と必要な物資を選んで届けてもらうシステムを考えた。

本番に向け、プレゼンテーション中の掛け合いの練習や、読みやすい資料作りに取り組んだ。岩手県や熊本県など大地震の被災地から参加する学校もあり、「軽々しく防災とは言えない」との思いから、伝え方を当日まで考え続けた。

他校の生徒からは「未来についてしっかり考えられたプレゼン」「面白いプレゼンだった」などと好評で、審査員からは「アカウントを使うことで所在地の信ぴょう性が高まる新鮮なプラン」などと評価された。

受賞について同チームの洞さんは「8月からずっと考えて、取材して、頑張りました。参加校からお祝いのメッセージももらい、印象に残せたのかなと思います」、古川さんは「発表ではせりふを飛ばしてしまったので、賞に選ばれたときは泣いてしまいました。後輩に伝えられる形で結果を残せたのは光栄」、門多さんは「自分はスライドを作りました。発表した2人が頑張ってくれたので感謝したい」と話していた。

成果発表会で受賞を喜ぶ(右から)門多さん、古川さん、洞さん(和歌山商業高校提供)

成果発表会で受賞を喜ぶ(右から)門多さん、古川さん、洞さん(和歌山商業高校提供)

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