10人が搬送 JR駅ビル地下で異臭騒ぎ

和歌山県和歌山市のJR和歌山駅商業ビル「和歌山MIO」の地下1階で9日午後に発生した異臭騒ぎで、同日夜までに、喉の痛みや体調不良を訴えた20代から70代までの男女10人が市内の病院に緊急搬送された。いずれも意識ははっきりしており、症状は軽いという。不審物は見つかっておらず、ガスや有害物質は検知されていない。

警察や消防によると、午後1時40分ごろ、地下1階にある飲食店街にいた男性から「せき込んでいる人がいる。喉がイガイガする」と110番通報があり、消防隊18隊20台、約70人が出動。ビル内は立ち入り禁止になった。

飲食店や雑貨店、薬局などの店舗が入る地下1階フロアにいた客や従業員らが、相次いで喉の痛みを訴えたという。駅前は消防車や救急車、パトカーなどが集まり、建物内から避難した大勢の人たちで一時騒然となった。

搬送された10人のうち、9人は快方に向かい同日中に帰宅。72歳の女性が経過入院となり、その他にも現場付近にいた人が自己受診するなどしているという。

地下1階にある居酒屋の店員、中谷博一さん(64)は「お客さんや店員が『喉が痛い』と言ったり、せき込み出したりして、警察に促され避難した。ガスのような臭いはなかったが、外に出る時に辛い物を食べたときのように喉がヒリヒリして、今もその感覚が残っている」と不安そうに話していた。

通行規制テープが張られ、物々しい雰囲気になった駅周辺

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