幻想的な「真夏の夜の夢」 2月に演劇大学

地域の学生や社会人らが参加する「和歌山演劇大学」の第11回公演「真夏の夜の夢」が2月2日、和歌山市民会館館小ホールで行われる。演劇大学の取り組みは11年目。参加者は延べ300人を超え、8000人以上の観客を動員してきた。上演作はシェイクスピア原作のロマンチック・コメディーで、約半年間プロに指導を受けてきた中学生から75歳までの40人が出演する。過去最多人数の役者がそろい、メンバーは「楽しい舞台を届けたい」と意気込んでいる。

同市文化スポーツ振興財団(同館)などが主催。演劇大学は、文化庁の支援を受け、プロの演出家らを講師に招き、地域のアマチュア劇団や学生・社会人を対象に演劇ワークショップを開催。和歌山では2007年度にスタートし、成果発表として毎年公演を行っている。

加納朋之さん(文学座)、佐藤尚子さん(青年劇場)が手ほどきし、劇団ノスタルジアの岡崎義章さんが演出助手を務める。

2013年以来の再演となる同作のあらすじは、アテネの町から少し離れた森の中、駆け落ちした恋人たちとそれを追うもう一組の若い男女が。同じ夜、町の職人たちは公爵様の結婚式で披露する芝居の稽古をするために森へやって来る。妖精たちが支配する夜の森で、貴族と職人と妖精が大騒動の一夜を巻き起こす――というストーリー。

公演に向けて稽古も熱を帯び、指導する佐藤さんは「シェイクスピアは小難しい、と感じている人も多いはず。普段あまりお芝居を見ない人にも『意外とばかばかしくて面白い』と、身近に感じてもらえればうれしい」とにっこり。「和歌山は開放的で明るい人が多い。人と人との距離が近く、いいチームです。人間くさい芝居をアピールできればいいですね。次の10年に向かって指針になるような舞台にしたい」と話す。

出演者の一人、同市の飯島英昭さん(75)は演劇大学に参加して2年目。「せりふを覚えるのは大変ですが、舞台に立って、演じて、拍手をもらって…この年齢ではなかなか体験できない感動を味わっています。ユーモアたっぷりの舞台なので、見た方にも笑顔になってもらえれば」と話している。

昼の部(午後1時~)。夜の部(5時半~)の2回公演。一般1000円、小中高生500円(当日各200円増)。チケットは同館や各コミュニティセンターなどで取り扱っている。問い合わせは同館(℡073・432・1212)。

チームワークばっちり、出演者の皆さん

チームワークばっちり、出演者の皆さん

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