農林水産業を振興 県が15人2団体を表彰

和歌山県内の農林水産業の振興などに貢献した個人や団体をたたえる2018年度「農林水産業賞」の表彰式が21日、県庁であり、15人と2団体が仁坂吉伸知事から表彰状と記念品を受け取った。

1970年度からの県農民賞と91年度からの県漁民賞が前身で、03年度から現在の名称に変更。「農業」「林業」「水産業」「地域づくり」の4部門で表彰している。本紙エリアからは農業部門で3人、林業部門で1人、水産業部門で1人と1団体が受賞した。

海南市の岩本治さん(60)は、県内でいち早く不知火などの優良新品種を導入・販売し、かんきつ専作経営の安定化推進に尽力。食育活動にも積極的に取り組む。

紀の川市の佐竹光洋さん(54)は、地域農業の担い手の中心となり、那賀地方の農業振興に尽力。「あら川の桃」ブランドとして地域のモデル経営となっている。

同市の吉田佳代さん(60)は、女性農業者のリーダーとして那賀地方の農業振興に貢献。柿やイチジク、施設野菜、露地野菜などを栽培し、複合経営として周年で高品質安定生産につなげている。

紀美野町の湯谷絹子さん(71)は、山間傾斜地での原木シイタケ生産の省力化を実現。特用林産物を使った産品による町おこしのメンバーとして活躍するなど、地域林業の振興に貢献した。

紀の川市の和田学さん(59)は、紀ノ川漁業組合職員として増殖事業や河川環境保全に尽力。アユの産卵に関する知見を集積して資源増殖を図り、遡上(そじょう)の増加につなげた。

和歌山市の加太漁業協同組合青壮年部は、マダイやヒラメなどの種苗放流による資源育成、漁礁設置による漁場環境の改善に取り組んだ。漁業の担い手確保や魚食普及を推進するため、体験や教室、積極的な広報活動を展開している。

受賞者は次の皆さん(年齢は21日現在)。

〔農業部門〕芋生孝治(88)橋本市▽岩本治(60)海南市▽大山勇(65)みなべ町▽佐竹光洋(54)紀の川市▽谷口文治(60)田辺市▽谷畑進(58)有田川町▽藤形征悟(68)橋本市▽吉田佳代(60)紀の川市

〔林業部門〕倉渕勝也(80)田辺市▽壺井庄三郎(80)同▽森本信夫(85)高野町▽山中雅弘(59)すさみ町▽湯谷絹子(71)紀美野町

〔水産業部門〕片谷匡(63)那智勝浦町▽和田学(59)紀の川市▽加太漁業協同組合青壮年部(和歌山市)

〔地域づくり部門〕九度山町果樹研究会

晴れの受賞者の皆さん(県提供)

晴れの受賞者の皆さん(県提供)

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧