アイデア光る照明 工業高生のコンクール

 和歌山県内の工業系高校生が照明器具のアイデアなどを競う「第44回照明コンクール」の審査会がこのほど、和歌山市西浜の県立和歌山工業高校(田村光穂校長)で行われた。県高校教育研究会工業部会主催。

 コンクールは「アイデア・デザインの部」と「製作の部」の2部門があり、紀北工業高校、和歌山工業高校、紀央館高校、田辺工業高校の県立4校の1年生から3年生約1000人が参加。審査会ではその中から学内選考を通過した120作品が審査を受けた。

 97作品が選出された「アイデア・デザインの部」には、蓄光するガードレールや、センサーで頭上を追尾し、ランニング中などに周囲を照らしてくれるドローンなど、創造性あふれる作品が並んだ。「製作の部」では、光の屈折が楽しめるシーグラスを筒状に積み上げた作品や、竹を使ったスピーカー照明など23作品が並び、採点を待った。

 審査は、デザインや商品設計を手掛ける㈱朝陽、パナソニック㈱エコソリューションズ社ライティング部門、海南市の屋外照明メーカー、タカショーデジテックの3企業の担当者や教員ら18人によって行われ、担当教員の説明を受けながら、1作品ずつ採点。金・銀・銅賞と佳作、特別賞の各企業賞を選んだ。

 「アイデア・デザインの部」で金賞とパナソニック賞をダブル受賞した田辺工2年の阪本天吾さんの作品「ライトボール」は、壁や天井に投げ付けて発光液体を貼り付かせ、周囲を照らすボール。「災害時などいざというときに役立ち、使用後には専用のスプレーで片付けるところまでしっかり考えられている」と高く評価された。

 同部で銀賞とタカショー賞を受賞した和歌山工3年の唐尾美波さんの「春夏秋冬フレグランスライト」は、季節に合わせた香りを楽しめるもの。「五感に訴えかける照明の提案で非常に感性豊かなアイデア」と称賛を受けた。

 「製作の部」では、田辺工3年の古屋智大さんと森山一稀さん共同製作の「ブラックホール」が金賞と朝陽賞をダブル受賞。「見た目の斬新さと、光の三原色を使った派手で演出性の高い照明は、今後IR施設などで需要が高まっていく」として選ばれた。

 県高校教育研究会工業部会の阪中潤事務局長は「企業に評価してもらう機会は多くない。受賞した生徒に講評を伝え、自信を持って将来につなげてほしい」と話した。

 受賞したのは次の皆さん。

 【アイデア・デザインの部】

 〈金賞〉阪本天吾(田辺工2年)=パナソニック賞▽米坂巧輝(和歌山工3年)▽中瀨絢媛(同3年)▽宇家夢香(同1年)▽南方葵咲(同1年)=パナソニック賞▽森本愛里(同2年)▽川口瑞貴(田辺工3年)=タカショー賞▽柴野瞳(和歌山工2年)=朝陽賞

 〈銀賞〉川西春瑠(和歌山工3年)▽岩本恵美(田辺工1年)▽川島七聖(和歌山工1年)▽神谷佳歩(同2年)▽門脇俊樹(田辺工3年)▽奥野壮達(和歌山工1年)▽矢野克弥(同2年)▽大里菜緒(同2年)▽小山愛海(同2年)▽唐尾美波(同3年)=タカショー賞

 〈銅賞〉植田甫空杜(和歌山工3年)=朝陽賞▽河﨑迅(同2年)▽佐々本花音(同1年)▽出口若奈(同1年)▽喜多優貴(同3年)▽鳴川琴稀(田辺工2年)▽野澤晏菜(和歌山工1年)▽中西熱人(同2年)▽田中聡(同2年)▽川井大空(田辺工1年)▽糸川成瑠(和歌山工1年)▽栗山大河(同3年)▽後藤勇志(紀央館1年)▽栗林世羅(田辺工2年)

 【製作の部】

 〈金賞〉古屋智大・森山一稀(田辺工3年)=朝陽賞

 〈銀賞〉▽段木彪我(和歌山工3年)▽硲間叶(同3年)=タカショー賞

 〈銅賞〉大野秀弥・樫山翔万・野澤慶将・峯上旭(田辺工3年)=パナソニック賞▽楠川魁都・土山敏技・都築勇貴(同3年)▽橋本空(和歌山工3年)▽瀬藤正悟(同3年)

真剣に作品をチェックする審査員ら

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