一般会計大幅増76億円 紀美野町19年度予算

和歌山県紀美野町は2月27日、総額76億870万円(前年度比18・6%増)の2019年度一般会計当初予算案を発表した。防災行政無線のデジタル化、神野保育所移築、町道改良など、住みよい生活環境の充実に力を入れている。特別会計、企業会計を含む予算総額は114億3750万円で12・4%の大幅増。町は各予算案を含む53議案を同日開会の町議会定例会に提出した。

【一般会計歳入】
町税は7億7359万円(同1・9%増)、地方交付税は35億5000万円(同1・4%増)を見込む。国庫支出金は3億9061万円(同65・6%増)。町の借金にあたる町債は、11億8950万円(同71・7%増)の大幅増となっている。

【一般会計歳出】
総務費が12億730万円(同60・8%増)、民生費が19億5084万円(同33・1%増)といずれも大幅に増加し、農林水産業費は4億6360万円(同14・2%増)となっている。減ったのは、議会費が7280万円(同14・8%減)、商工費が3848万円(同7・0%減)、公債費が12億1456万円(同3・8%減)となっている。

【主な事業】
新規事業は、教育関連では、老朽化した神野保育所を下神野小学校(神野市場)敷地内へ移築する事業に4億6150万円、みさと天文台内の生涯学習室内にカフェスペースを整備する改修事業に206万円など。安心・安全の取り組みでは、幹線道路とのかみふれあい公園などをつなぐ町道柴目釜滝線改良事業に1億9767万円、消防ポンプ自動車整備事業に1946万円。産業振興では、町内の小中学生が伝統工芸品の棕櫚(しゅろ)ほうきにふれる機会をつくる啓発事業に17万6000円を計上している。

【特別会計等】
国民健康保険事業、のかみふれあい公園運営事業などの7特別会計は計37億280万円(同2・7%増)。昨年9月の台風被害で町内で長期にわたる停電が発生したことを受け、対策費用として可搬式発電機の整備を行う簡易水道事業特別会計は1億9142万円(同12・6%増)に増額。企業会計の上水道事業は1億2599万円(同18・3%減)となっている。

その他の議案では、18年度一般会計補正予算案は1141万円を減額し、補正後の一般会計総額は73億1811万円となる。主な事業は、小川小学校空調設備設置事業に3137万円、固定資産税課税誤り還付事業に516万円などとなっている。

寺本光嘉町長は町議会の開会あいさつで、固定資産税の課税法を誤り、過度に請求していた件にふれ「深く反省し、町民の信頼回復に努めたい」と謝罪。19年度の取り組みについては、改元や消費税増税などに伴い発生する新たな業務、ねんりんピックのおもてなし事業、人口減少対策や観光産業の強化などを挙げ、「しっかりと予算を確保して全力で取り組む」と述べた。

定例会の会期は20日までの22日間。一般質問は6日に予定している。

 

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