南海みさき公園から撤退 赤字続き継続困難

 南海電気鉄道㈱(遠北光彦社長)は26日、大阪府岬町のレジャー施設「みさき公園」の運営事業から、2020年3月31日で撤退することを発表した。長期にわたり営業赤字が続き、事業継続が困難だと判断した。

 同公園は南海の創業70周年記念事業で1957年に開園。動物園やイルカショーを軸とした総合遊園地として、沿線住民のファミリー層を中心に人気を集めた。30周年の87年には大型レジャープールを開設するなどし、89年度には年間来場者数が約72万人を記録した。

 しかし、レジャーの多様化などの影響で年間来場者数は減少傾向が続き、60周年の17年度はピーク時の半分の約36万人にまで減少。新イルカ館や鉄道体験施設など新たな施設による需要を見込んだが、抜本的な収支改善には至らなかった。同年度の決算では、約33億円の減損損失を計上。さまざまな再建策を検討したが、事業から撤退することを決めたという。

 公園の今後については、岬町と協議を重ねていく方針で、同社は「来場者数の減少に歯止めがかからず、事業継続は困難。長年ご愛顧くださいました皆さまには、大変申し訳ない」とコメントしている。

南海電鉄が事業撤退を決めた「みさき公園」

南海電鉄が事業撤退を決めた「みさき公園」

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