世代交代を期待か 高齢化進む紀美野町議選

 定数12に対し現職10、新人3の計13人が立候補している紀美野町議選も後半戦に突入。告示前に初めて立候補者政策発表会が開かれるなど、変化を求め、世代交代の必要性を訴える声も聞こえる中、危機感を感じるベテラン現職も多く、路地や山里の奥へと足を運び、支持を訴えている。

 同町は「何もない」をキャッチフレーズに、美しい星空や広大な高原など、豊かな自然を魅力に観光客の人気を集め、会社を退職した人や子育て世代の移住を積極的に受け入れている。

 町の重要な課題の一つは、風光明媚(めいび)な山里での暮らしやすさの向上であり、高齢化が進む古くからの住民は医療や移動の支援、移住者や若い世代は仕事や教育環境の支援などへの関心が高いとみられる。政策発表会では、こうした課題についてはおおむね共通の認識がみられたが、町議会については、定数の削減や世代交代の是非を巡って争点があることが明らかになった。

 ある陣営は、政策発表会は選挙情勢にあまり影響をもたらさないのではないかと話す一方で、候補者の政策を一度に聞く機会が得られたことで、知名度にこだわらず、相対的に若い世代の新人に期待をかける傾向が出るかもしれないと考える陣営もある。

 投票率については、前回の74・06%と同程度かやや下がるとの見方が強い。ある現職は、支援者から高齢を理由に「投票所へはよう行かん」との声を聞くことがあるという。3月末時点で65歳以上が人口の45・8%を占め、加速する町の高齢化は切実な課題となっている。

 古くからの人脈や情を大切にする住民が多いといわれる町。候補が乱立する地区では票がどう分かれるのか、今回出馬していない現職の票などの流れについては口を閉ざす陣営が多く、選挙戦終盤も不透明な情勢は続きそうだ。
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 期日前投票は、18日午前までに432人が済ませた。20日までの午前8時半~午後8時に役場本庁で受け付けている。

選挙カーを止めて演説する陣営

選挙カーを止めて演説する陣営

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