勢いある流麗な書15点 天石東村没後30年展
和歌山県和歌山市西汀丁の県書道資料館では、同市出身の書道家・天石東村の没後30年記念展を開催している。11月30日まで。
天石は1913年生まれ。和歌山師範学校を卒業後、県立和歌山高等女学校、県立桐蔭高校の教諭、和歌山大学教育学部講師、奈良教育大学教授を歴任し、書道教育の近代化に努めた。
58年の日展特選を受賞した作品や72年に日展文部大臣賞を受賞した作品をはじめ、壮年期から晩年に書いたさまざまな作品15点を展示。書道の指導のために分かりやすい文字を書いた手本や、自身の表現力を全面に出し、空海や良寛の影響を受けた流麗で気品ある書風で勢いよく書かれた作品などが見られる。
日展特選を受賞した中国の詩人・高青の詩を書いた作品は、墨の濃淡、文字の大小で詩の変化や動きを表現。文部大臣賞に選ばれた王摩詰の詩を書いた作品は、流麗な書風が確立されており、天石独特のすっきりとしたくずしで書かれている。
同館の貴志孝生理事長は「天石自身が力を入れた作品を集めた。価値のある作品ばかりなので、見に来てもらいたい」と話していた。
午前9時~午後5時。日曜・祝日休館。問い合わせは同館(℡073・433・7272)。
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