電力の復旧迅速に 関電が災害備え技能訓練

 自然災害による停電を想定し、安全作業の徹底や技術向上を図ろうと、関西電力送配電カンパニー和歌山電力本部は23日、和歌山県和歌山市毛見の同社琴の浦訓練場で技能研修会を開き、4チーム20人が配電線整備の復旧技術を競った。

 開会式で冨岡洋光和歌山電力昨年9月の台風21号では県内で最大25万件の停電が発生したことなどにふれ、本部長は、「安全を最優先に素早く電力を復旧するためには日頃の訓練が重要。意識して作業に従事してほしい」とあいさつした。

 技能研修会は台風により被害を受けた高低圧配電線設備の復旧工事を課題に、安全や速度、品質など100以上の項目で評価した。

 和歌山・橋本・田辺・新宮の4エリアから各チーム作業責任者1人と作業員4人が参加。電気を通さない作業服とゴム手袋、ゴム長靴を着用して「注意して」などと声を掛け合いながら作業に取り掛かった。

 ことしからドローンによる被害状況の把握とスマートフォンを活用した現場状況の共有を実施。高圧発電機車を使った送電や断線した電線の修理、変圧器吊替工事などを140分の作業時間の中で行った。

 最優秀賞は新宮配電営業所、優秀賞は橋本配電営業所だった。

 和歌山電力本部配電グループの内山真男チーフマネジャーは「安全かつ停電時間を短くできるように取り組むことが大事。訓練で向上した技能を現場でも生かせるようにしていきたい」と話した。

研修で技術を競う社員ら

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