水槽の魚60匹死ぬ 自然博物館で細菌原因か

 和歌山県立自然博物館(海南市船尾)は22日、館内の大水槽「黒潮の海」で展示していた魚類が、これまでの3分の1程度に大量死したと発表した。老朽化したろ過ポンプに付いた細菌などによる病死とみられ現在は水槽に薬剤を投与して経過観察中。7月上旬から展示内容を一新して公開する予定。

 大水槽では1982年の開館以来、サメやエイ、フグ、アジ類など約100匹を飼育してきた。6月上旬、昨年末に故障し修理したろ過ポンプを5月末に稼働させたところ、高齢のロウニンアジを中心に約60匹が病気になり死んだ。

 同館は原因について、ポンプの停止期間中、配管内で増殖した細菌が稼働をきっかけに水槽内に押し出されたことや、生物の高齢化などによるものではないかとみている。

 現在、水槽ではサメやエイ、フグ、ベラ、ウツボなどが遊泳しているが「だるそうで肌ツヤも良くないです」と学芸課の平嶋健太郎課長(46)。数日間は殺菌剤を投与して観察し、“エサを食べたそうな顔”になるほどに回復すれば、和歌山近海で取れる美しい魚、アジやサバ、イサキなど新たな魚を加える。

 平嶋課長は「好きで見ている人なら魚の表情も分かりますよ。慎重に水槽内を復旧し夏休みの子どもさんに楽しんでもらえるようにしたい」と話している。

病気にならなかったサメやエイは元気に泳ぐ

病気にならなかったサメやエイは元気に泳ぐ

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧