交差点で信号1機減 バイパス開通阪井地区

和歌山県海南市重根と木津地内を結ぶ阪井バイパスの開通により、地域住民の交通事情に新たな課題が生まれている。児童らの通学路上にある信号機のうち、見通しの悪い交差点の1機が現在は稼働しておらず、交通安全を守ろうと教職員や保護者、地域住民らが24日から毎朝登校指導を続けている。

現場は同市立巽小学校(阪口貴史校長)へ南進する道で国道370号線と交差する地点。22日に阪井バイパスが開通する前日まで稼働していた信号機が、バイパス供用開始と同時に使用されなくなった。バイパスを利用する自動車が増えれば370号の交通量が減少することを見込んでいたが、開通から約1週間たった現在は、顕著な交通量の変化は見られていない。

児童らが国道370号線を横断する際には見通しを妨げている建物から車道へ顔を出すようにして東西を通行する自動車を確認するしかなく、事故が起こりやすい環境にあるとみられている。

28日の早朝、阪口校長は「以前から通学に危険な場所と認識し、定期的に通学指導をしてきました。信号は通称でクマ信号と呼んでおり、また稼働させてほしい」、保護者の母親は「子どもには車が止まってくれるかもしれないと思ってはいけないよと注意をしています」と不安を口にしていた。

阪井地区の山西善彦区長(72)は「バイパス開通をまだ知らないドライバーもあるのではないか。1、2カ月は自動車の流れを観察した上で児童の通学路の安全対策を考えたい」と話していた。

保護者らが見守る中、信号が稼働していない交差点を渡る児童

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