義務化を前に準備を 県内でHACCP講習会

食品衛生管理の手続きを定めた国際基準「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れた衛生管理について、基礎講習と自店の衛生管理計画の作成演習を行う「小規模な飲食店のためのHACCP義務化対応講習会」が、来年3月にかけて和歌山県内各地で開かれる。

2018年の食品衛生法改正により、2021年6月の完全義務化で原則全ての食品事業者に対して衛生管理が求められるため、(一社)県食品衛生協会(和歌山市小松原通)が主催し、県内各地域の衛生協会が講習会を実施する。

講義内容は基礎編「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(30分)、演習編「自店の衛生管理計画の作成」(60~90分)。当日のプログラムは「一般衛生管理」として、原材料の受け入れ、冷蔵・冷凍庫の温度の確認、交差汚染・二次汚染の防止(器具やトイレなど)、従業員の健康管理・衛生的作業着の着用など。

「重要管理」は各メニューにおける食材の加熱・冷却方法やその温度など。それぞれ手引書に沿って様式に記入、日記のような記録シートを作成・保存し「最適化」「見える化」を実践していく。

HACCPを実行し、ポイントを明確にしたマニュアルに沿っていくことで、全ての従業員が安定した同じ商品を提供することができる。また各作業工程の中で問題が生じた場合でも原因を追及し特定できることで、食中毒の予防やリスクの低減につながるメリットがある。

同協会の田村優子さんは「これまでのメニューなどを様式通りに書き写していけば面倒なことはないので作成が不安な方や、これから店を開きたいと考えている方にも参加してもらい、完全義務化までに習慣づけてもらえれば」と参加を呼び掛けている。

受け付けは先着順で、希望者は各衛生協会に電話で申し込む。受講料1人につき4000円(食品衛生協会会員は3000円)。事業者が会員である場合、その調理に従事する者も会員料金で受講可能。

主な開催日時と会場、申し込み先は次の通り(各日程とも1週間前に締め切り)。時間は全て午後2時から4時まで。

【和歌山市食品衛生協会】9月17日、10月16日、12月16日、来年1月21日、2月19日、3月17日▽和歌山市保健所3階大ホール(和歌山市吹上)▽℡073・488・5111

【海南海草食品衛生協会】9月4日▽海南市民会館会議室(日方)▽℡073・483・8825

【紀北食品衛生協会】8月28日、9月25日=那賀振興局大会議室(岩出市高塚)▽11月27日=岩出市総合体育館(西野)▽℡0736・61・0022

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧