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2002年09月17日

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生き生きと充実した授業 示唆に富む龍神村の中高一貫教育
5_5.gif ■2002西博義

 先日、久し振りに龍神村を訪問した。中高一貫教育の実情を見るためである。
 私は九年前に初当選以来、中高一貫教育制度の導入を訴えてきた。それは、思春期という大切な時期にある子どもたちが高校入試に寸断されることなく、六年間じっくりとやりたいことに打ち込める制度が必要だとの思いからである。
 さらにもう一つ私が狙っていたことがある。この制度を活用して、山間部の生徒が高校進学のために親元を離れて都市部に下宿して学ぶという状況を改善することであった。
 私の主張が実ったのは、平成十年。中高一員教育制度の導入を盛り込んだ「学校教育法改正案」が国会に提出された。
 ところが、法案では例えば、中学校が一つしかない小さな町や村では、中高一貴校を設置できないなどの問題があった。委員会質疑の前日、深夜まで役人と押し問答が続いたが、その場では紡論は出ず、省内で再度協議ということになった。
 質疑当日、気迫を込めて再度追及したところ、「その地域に中学校がなくとも、→時休校しているとして運用してもいい」との答弁を引き出すことができた。
 予想外のことで、一瞬あっけに取られたが、この踏み込んだ答弁が根拠になって、龍神や古座にも中高一貫校ができたと思う。
 龍神村では昨年四月から、県教育委員会の協力を得て、南部高校龍神分校と村内にある三つの中学校の間で中高一貫教育を実施している。村内の中学生は龍神分校に進学する場合には、学力試験や調査書によらないで、面接とレポートの提出だけで選抜される。
 中学校、高校では「個を生かし、育てる」との教育方針のもと、地域を愛する心と豊かな人間性を「龍人学」と名付けて教えている。六年間の一貫教育なので、先生も中学校と高校の両方を担当しており、二人が共同で一つの教室を受け持つ場合もあり、熱心で充実した授業風景が展開されていた。
 今までは高校には音楽や美術の担当教員がいなかったが、今は中学校から熱心な先生が派遣され、生き生きと授業を受けていたのが印象的であった。進学にも力を入れており、徐々に成果も上がってくるだろう。
 一方、中学校にも高校の先生が授業に参加して、子どもの興味を引き出す授業が展開されていた。現場の先生も「自然豊かな龍神の良さを理解して、志の大きな生徒に育ってもらいたい」と期待も大きい。さらに実績をあげ、将来は県下各地の生徒に「龍神で学びたい」といわれる教育をめざしてほしい。
 この龍神村の取り組みには重要な示唆が含まれていると痛感した。地域社会に子育ての情熱がない限り、健全な教育は望めない。子どもの教育は学校、家庭、社会がそれぞれの役割を果たすという原点に立ち返るところから始まるのだ。


(2002西博義)
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