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2002年11月12日

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自民党の国対副委員長に 緊張度高くやりがいある仕事
5_5.gif ■2002世耕弘成

 今国会から自民党の国会対策副委員長を務めることになった。国対委員会とは法案審議などを円滑に進めるために各党が設けている窓口機関で、与党と野党間の水面下のせめぎ合いが行われる舞台である。私は副委員長として総務委員会、農林水産委員会、憲法調査会の進行について責任を持つことになった。国対政治というと「料亭」とか「腹芸」といったイメージがついて回るが、私が見た限りではそのようなことはなく、与野党の折衝はあくまでも日中の会議室で行わわる。
 今国会には約九十本の法案が提出されているが、法案を通過させるまでの作業は大変である。まず野党は形式的な本会議での趣旨説明と大臣出席の質疑を要求してくる。全議員が出席する本会議の開催日は限られてくるので、この要求をかけられると法案の審議が遅滞することになる。これを国対用語では「法案を吊るされる」という。
 この「吊るし」の要求をうまく切り抜けて法案を委員会審議にまで持ち込んでからも難関がある。野党側は委員会の開催を原則として「委員会定例日」の「定時定刻」のスター卜しか認めてはくれない。また必ず大臣の出席と答弁を求めてくるので、衆議院の委員会や本会議の日程、担当大臣の出張予定などの情報を収集して大臣が出席できるように調整しなければならない。政治改革の中でせっかく副大臣制度を導入したのだから、大臣に代わって副大臣の出席のもと実質的な審議ができればいいと思うのだが、野党にとっては大臣から答弁を引き出したいとの思いが強い。こういう苦労をして委員会を設定しても、予算委員会などで大きな問題が発生するとそれが解決するまでは審議が止まってしまうこともある。
 こういう中を政府、与野党間を走り回って調整を行うのが国対委員会であり、国対副委員長はいろんなポストの中でもかなり「しんどい」仕事だといわれている。確かに拘束時間は非常に長く、常に国対委員会の部屋に詰めて、政府や野党の動きなどの細かい情報に耳をそばだてておかなくてはならない。自分の不手際で万一重要な法案が廃案になったりしたら大変なことであるから緊張度も高い。一方で今まであまり付き合いのなかった野党の議員とも攻守の立場を超えて人間関係の構築もできるなどやりがいのある仕事でもある。
 国対歴の長いある先輩議員からは「国対は法案の中身になど関心を持たなくてよい。審議日程を頭に叩き込んで、法案を会期内に成立させることに徹するべきだ。」とのアドバイスをもらった。確かに核心を突く鋭い指摘ではあるが、この言葉に今の国会審議の問題点が凝縮されている。与党は一本でも多くの法案を通そうとし、野党は逆に一本でも多く阻止することにこだわっている。国会は法案の中身の議論よりも、会期末までに「通す、通さない」の駆け引きの舞台となってしまっている。やはりこのあたりは早急な改革の必要を痛感する。今回の国対の実務の経験を通して、「会期の廃止と国会の通年化」、「法案の逐条審査導入」などの国会改革への見識を深めて行きたいと思う。


(2002世耕弘成)
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