わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2004年02月10日

ganba_title.jpg
緊張感に欠ける審議 イラク復興支援特別委員会
5_5.gif ■2004谷本龍哉

 一月三十一日未明、野党が欠席する中、 衆議院の本会議場において、 自衛隊のイラク復興支援への派遣についての承認案が可決された。このような重要案件の採決において、野党が欠席するということは望ましいことではないし、そうならないための国会運営が必要であるが、今回の審議においては、 与野党ともに緊張感が足りなかったのではないかと感じている。
 衆議院本会議での採決に先立ち、一月三十日の午後五時五十分ごろに、衆議院イラク復興支援特別委員会において、与党側の動議により、この承認案の採決が行われた。与野党合意がないままの採決は、 俗に「強行採決」といわれ、皆さんが報道などで見る、乱闘のような状態での採決がそれである。
 「強行採決」のシーンだけ見ていると、かなり緊張感がある審議が続けられていたのではないかと、 思われる方も多いだろうが、実際に委員としてこの委員会に出席していた者の一人として、これだけの難しい、そして日本の将来にとって大きな意味のある案件にしては、もう少し緊張感が必要だったのではないだろうか。
 まず、与党側というより政府側であるが、答弁にあまりにも不正確な点が多過ぎた。派遣予定地サマーワの評議会の存在について、「存在している」「解散した」と食い違う答弁をし、首相による答弁撤回という異例の事態に発展してしまった。また先遣隊がサマーワで面会した人物が「評議会議長」であると答弁し、後にその人物が「評議会議長代理」であることが判明した。
 また野党側も、「審議時間が不十分だ」と主張する割には、出てくる質疑者ほとんどが同じ内容の質問の繰り返しであり、自分たちの狙い通りの答弁が返ってこないと、審議を止めて退席をするということの繰り返しだった。 審議を深めるというより、ただ委員会審議を止めるためだけに、揚げ足取りに終始しているという印象が強かった。
 国防と外交は国会が最も重い責任を負う分野であり、今回のイラク復興支援への自衛隊派遣問題は、 これからの国際社会において日本がどのような国を目指すのかが問われる最重要課題である。もちろん、すべての人が賛成できるような一〇〇%正解の答は存在せず、あらゆる方向から日本の国益を考えて、苦しい判断をしなければならない問題でもある。
 にもかかわらず、「何でも反対」「何でも賛成」で、政争の具にしてしまっているように見えることは、政治にとっても、国民にとっても不幸である。
 その場しのぎの議論ではなく、国家にとっての利益と不利益、戦略と覚悟、派遣の基準、そういったものをしっかり示した上での、国際貢献法の制定を急ぐべきだと考えている。


(2004谷本龍哉)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio