■2005谷本龍哉
第四十四回衆議院総選挙において、 自民党は公示前の議席を大きく上回る 「296議席」 を獲得し歴史的な大勝となった。 個人的にも、 三度目の議席を与えていただき、 心からの感謝の思いを強くすると同時に、 重い重い責任感をひしひしと感じている。
今回の選挙は、 小選挙区制の特徴がはっきりと表れた選挙だったように思う。 一部マスコミで、 各政党の得票率以上に大きく議席数の差が開いたことに批判的な論調も見られるが、 それが小選挙区制なのだと私は思う。 あまり大きな変化を望まず、 できるだけ得票率に近い比率で当選者が出るようにしたければ、 中選挙区制か完全比例制にすればいい。 しかし、 現行の小選挙区制は、 大きな変動を可能とし、 政治の中に政権交代の緊張感を持たせるために導入されたものである。 そういう意味では、 次の総選挙で今回とまったく逆の結果が出る可能性も十分あるということである。
また選挙結果の変動が大きいということは、 一つ一つの選挙区で見れば、 中選挙区時代に比べ連続当選が難しいということにもなる。 私が初当選した時の自民党同期は三十八人いたが、 現在三期目で残っているのは二十二人である。 激減という程ではないが、 それでも四割減っている。 政策グループ(派閥)によっては、 十五人から四人に減ったところもある。 「勝ち続ける」 ということは、 誠に難しいのである。
今回の選挙で自民党は、 党史上最多の八十三人の新人議員が当選を果たした。 「新しい血」 がたくさん入るということは、 大変喜ばしいことである。 しかし当たり前のことではあるが、 当選した後は、 現職国会議員として有権者の厳しい目にさらされる。 選挙戦で訴えた 「改革への覚悟」 を、 現実の国会活動の中で行動で示していかなければ、 「希望」 はあっという間に 「失望」 に変わってしまう。
「296議席」 は、 国民が自民党に突きつけた 「最後のチャンス」 だと私は思っている。 この機会を生かすことができるかどうか。 これからが正念場である。
(2005谷本龍哉)
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