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f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
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f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
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2005年11月01日

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団塊世代にエールを 意欲と能力ある限り働ける社会へ
5_5.gif ■2005西博義

 先日、 参議院で 「少子高齢社会に関する調査会」 が開かれた。 関係省庁に基調報告が求められ、 厚生労働省から私が出席した。
 今回は、 とくに団塊世代対策を中心に議論された。
 「団塊の世代」 とは、 終戦直後の昭和二十二~二十四年生まれの世代を呼び、 この三年間に生まれた人で全人口の5%を占める。 数の多さの故に、 その動向が社会に大きな影響を及ぼしてきた。
 調査会では、 はじめに、 私が基調報告を行った。
 団塊世代が六十歳の退職を迎えはじめる年が社会の大きな節目と考えられ、 これが 「二〇〇七年問題」 と呼ばれている。
  「二〇〇七年問題」 としては、 団塊世代の大量定年による深刻な労働力不足。 熟練労働者の引退による高度な技術やノウハウの喪失。 多額の退職金支払いによる企業体力の低下など―が心配されている。
 この年から団塊世代が、 社会を支える立場から支えられる立場に移行することになる。
 一九七〇年代には十人で一人の高齢者を支えていたが、 もうすぐ三人で一人を支えなければならない時代が来る。
 高齢者の増加と社会保障の充実にともなって、 年金・医療費などの社会保障費は年々伸び続け、 一九七〇年の三・五兆円から二〇〇五年には八十九兆円に伸びており、 二十年後には百五十二兆円になると見られている。
 こうしたことを背景として、 団塊世代の定年後に起きると予想されるさまざまな問題について、 活発な議論がなされている。
 ある雑誌の今月号に 『団塊世代の老年格差社会』 という特集が掲載されている。 私も団塊世代の生まれであり、 関心をもって読んだ。
  「(団塊世代は)社会的残余として切り捨てられるか、 生涯現役として活躍できるか」 という厳しい格差社会に直面するという、 少々、 刺激的な内容である。
 もともと、 私たち団塊世代は、 生まれた当初から常に厳しい状況におかれてきた。
 戦争は経験していないものの、 戦後間もない、 物質的にはあまり豊かではない時代に幼少期を過ごした。 受験戦争を経て、 大学に入れば大学紛争。そして、 社会に出てはモーレツ社員や企業戦士として熾烈な過当競争にさらされてきたのである。
 近年では、 平成の大不況でリストラの憂き目にあってもいる。
 養老孟司さんは、 私たちの世代について、 「なにしろ真面目な世代で、 真面目に学生運動して、 真面目に就職して、 真面目に働いて、 真面目に管理職になって、 真面目に定年になるらしい」 と評している。
 さまざまな困難にあっても、 真面目に生きてきた、 実に愛すべき世代であると思う。
 私たちは、 できるかぎり、 次世代に負担をかけないようバトンタッチしていきたいと考えている。
  「団塊の世代」 の名付け親、 堺屋太一さんがいうように 「高齢期は厳しい冬ではなく、 実りの秋。 これまでの経験を生かし豊かな季節を楽しんで」 社会に貢献してほしい。
 そのために、 高齢になっても意欲と能力がある限り、 年齢にかかわりなく働き続けることができる社会を実現するよう、 がんばっていきたい。
 団塊の世代にエールを送る。


(2005西博義)
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