■2006世耕弘成
一昨年からロシアの若手国会議員との交流に力を入れている。 一昨年若手議員数名と日本青年会議所関係者とでモスクワを訪問し、 ロシア側若手議員と数回会合を持ち、 昨年春にはロシアの八名の国会議員が日本を訪問、 滞在中に今後若手議員交流を強化していくことで合意し覚書きを交わした。 さらに昨年末私と松山政司参議院議員でモスクワを訪問し、 プーチン政権下での有力政治家で日ロ賢人会議のロシア側座長でもあるルシコフ・モスクワ市長立ち会いの下、 私とロシアの若手有力議員であるネフョードフ国会議員との間で日ロ若手国会議員の会設立の協定書に正式に調印を行った。
先週、 ネフョードフ議員を団長とするロシア若手議員九名が来日した。 来日の目的は前回の協定を受けて日ロ若手議員の間で両国の関係強化に向けた政策協議を行うことにある。
今回の協議では日ロでどのような経済協力関係を築くことができるかについて、 四時間を超える集中討議を行った。 その結果、 お互いに京都議定書を批准しているという立場かから地球温暖化対策について両国国会議員で勉強を深めていくことで合意した。 またそれに関連した具体的テーマとして、 DME(ジメチルエチル)をエネルギー源として活用していくための技術開発についても具体的に議論し、 行動していくことも決めた。
現在日ロの政治家間のパイプは極端に細くなっている。 外務省によると議員レベルの交流で定期的かつ着実に交流を継続しているのは現在のところ私が主催する日ロ若手国会議員の会だけだそうである。
また今回は公式の協議以外にも意義多い来日であった。 私とネフョードフ議員とは四回目の相互訪問になり、 何度も酒も酌み交わしており、 夫人とも面識ができており、 お互いに信頼感と友情が芽生えてきている。 今回はロシア側議員を広島に案内し、 原爆ドーム等を見学してもらい、 地元青年会議所の皆さんとピースフォーラムという話し合いの場を持ってもらった。 ネフョードフ議員は核実験場の近くで生まれ育ち、 両親とも癌で亡くしていることから、 核廃絶にも熱心に取り組んでおり、 核廃絶に関する取り組みも両国議員でやっていこうということになった。
夜はお互いに居酒屋で酒を酌み交わしながら、 フランクな議論をした。 もちろん北方領土問題でもこちらからかなり言いたいことも言わせてもらった。 家族のこと、 選挙の悩みについてもお互いに本音を話し、 いずこの国も政治家のライフスタイルはそんなに変わらないのだなということもわかった。
次回は今年の夏以降、 シベリアのトムスクという町で開催することが決まった。 トムスクはこれから日本に向かって延びてくる石油ガスパイプラインの重要中継基地でもある。 また天然ガス田が周辺に存在し、 天然ガスを利用したDME開発について両国銀合同で実地調査もできるということで次回の会議場所に選定された。
今後の日中関係の難しさを考えた場合、 その隣の大国であるロシアとの関係は非常に重要になってくる。 若手議員同士のまだまだ細いパイプかもしれないが、 継続は力なりの精神で今後とも交流を続けていきたい。
(2006世耕弘成)
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