わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2006年12月12日

ganba_title.jpg
世界の中の日本らしさとは? 「カントリー・アイデンティティ」発信へ
5_5.gif ■2006世耕弘成

 安倍総理は就任直後の所信表明演説の中で、 「 『カントリー・アイデンティティ』、 すなわち、 我が国の理念、 目指すべき方向、 日本らしさを世界に発信していくことが、 これからの日本にとって極めて重要なことであります。 国家としての対外広報を、 我が国の叡智を集めて、 戦略的に実施します」 と述べている。 国のトップとしてこの国のあり方を明らかにし、 世界に発信していくということを高らかに宣言したわけである。 世界がグローバリズムの潮流の中で、 あくまでも自由を追求する米国と、 統制指向の中国とに2極化する現象も強くなってきている。 そういう中で日本としてどういう国を目指していくのかを明らかにしていくことは今後の日本が世界の中で生き残っていく上でも非常に重要であり、 こういう大局観を安倍総理が持っていることに関して、 非常に心強く思っている。
 この 「カントリー・アイデンティティ」 を明確にし、 世界に発信していくことについて、 補佐官として中心となって進めていくよう総理から特命を受けている。 年内には何らかの方向性を出せるよう、 私のスタッフとともに取り組んでいるところである。
 一言で 「カントリー・アイデンティティ」 といっても非常に難しい。 個人によって価値観も異なるし、 「日本は立派だ」 と世界に押しつけるようなことになっては逆にマイナスである。 現在有識者の意見も聞きながら、 世界に通用する、 あるいは世界の役に立つ 「日本らしさ」 とは何かということについて議論を深めている。
 当然、 日本固有の歴史・自然・文化・伝統といった分野がまず非常に重要である。 また最近は特にアニメ、 ゲームといった日本のポップカルチャーにも世界の注目が集まっている。 しかし 「日本らしさ」 はそれだけにとどまらない。 日本人自身の生活の中にとけ込んで、 当たり前になってしまっている事象にも 「日本らしさ」 が多数潜んでいる。 例えば電車の時刻が非常に正確であること。 電気や通信といった基本インフラサービスの質が非常に高いこと。 阪神・淡路大震災の際には暴動などは発生せず整然と給水や配給を受ける列ができていたこと。 などは世界に誇りうる 「日本らしさ」 である。
 他にも、 戦後の日本が続けてきた平和主義、 世界一の長寿国であること。 国民皆保険制度、 心のこもったODAの展開。 PKOでの規律正しい活動。 なども世界に類を見ない日本らしさである。
 この 「日本らしさ」 を官邸や霞ヶ関、 学者の世界だけで考えるのではなく、 国民運動として 「日本らしさ」 をみんなで発掘していくプロジェクトとして立ち上げることも検討してみたい。 後ろ向きや自虐的に自国のことを考えるのではなく、 世界に向けて発信すべきことは何かを世代や職業を超えて国民みんなで見つめ直してみることが、 「カントリー・アイデンティティ」 を世界に発信していく第一歩だと考える。


(2006世耕弘成)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio