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f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
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2008年03月19日

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食の安全は国民生活の基本 法整備など中国政府と積極協議を
5_5.gif ■2008西博義

 1月末、千葉と兵庫の3家族10人が、中国製冷凍ギョーザによって食中毒を起こしたと、報じられた。
 その後の検査で、中毒の原因は、メタミドホスという、農薬や殺虫剤に使われる毒性の強い有機リン系の薬品であることが判明した。
 この薬品は日本では出回っていないが、中国でも昨年初頭から流通・販売・使用を禁止されたものである。
 公明党は、報道を受けて、食の安全を担当する厚生労働・農林水産部会などの議員を中心に速やかに対応を協議した。
 翌日には、私も太田代表らとともに、被害拡大の防止、情報の積極的な提供、相談窓口の設置、原因の究明など、政府に申し入れを行った。
 食品の安全は、生命に関わる事柄だけに、どの政党よりいち早く対応できたことを誇りに思っている。
 その後も、心配した通り、各地から被害の報告が続いた。必ずしも高濃度の農薬が検出されたわけではないが、製造業者も食品・農薬の種類も複数となるなど不気味な広がりを見せた。
 中には日本の小売店が殺虫剤として使用していた可能性のあるジクロルボスがギョーザの外袋に付着していたとして原因が特定した例もあるが、依然として真相はわからない。
 驚いたのは、猛毒のパラチオン(商品名ホリドール)が微量ながら検出されたことだ。
 私が小学生のころまで、パラチオンは日本の水田で殺虫剤として使用されていた。 噴霧されたミストを吸引して死亡したとか、 川や溝に流されて魚が大量に浮き上がったとか聞かされて、 その毒性の強さは、 子供心に恐ろしい農薬と刻まれている。
 パラチオンは、日本では30年以上前に使用禁止になったが、中国は昨年1月に禁止になったばかりである。
 これら有機リン系の薬品といえば、その頂点に立つのはサリンである。それを思い浮かべればその毒性に想像がつく。
 その毒性の強さは動物にその物質を与えた場合、半数の人が死に至る「半数致死量」で表されるが、パラチオンはサリンの30分の1、メタミドホスは30~80分の1の量である。いかに毒性が強いかお分かりになろう。
 中国の全国人民代表大会が3月5日から開幕され、温家宝首相は政府活動報告の中で中国製冷凍ギョーザによる中毒事件などで不安が高まっている食の安全対策について言及した。
 安全基準にはすべて国際基準を採用し、約7700品目の食品・医薬品等の基準を制定・修正するとともに、違反企業には厳罰を科す方針を示した。
 今回の事件の真相はいまだ不明だが、中国政府が食品の安全性に本格的に取り組む姿勢を見せたことは評価したい。
 食料自給率が40%を切る我が国では、自給率の向上に向けて、大胆な施策を展開しなければならない。
 しかし、現実的には日本の食料は諸外国に頼らざるをえないこともあり、輸入される食料品の安全性に対しては一層充実した検査体制を敷かなければならない。
 同時に、検疫だけですべてに対処することは無理がある。中国政府と、法整備や農薬の使用制限など積極的に協議するよう予算委員会などで提案した。
 食の安全は国民生活の基本である。食料の安全性を確保するために、尽力していく決意である。


(2008西博義)
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