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2008年04月01日

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日銀総裁空席再発させぬため 国会同意人事の枠組み見直す必要も
5_5.gif ■2008世耕弘成

 3月に入って国会は異常な状態が続いている。3月25日現在、かろうじて機能しているのは予算委員会のみで、他の常任委員会は法案の審議に入れない状態である。特に例年は歳出歳入歩調を揃えるという観点から、予算と同時に採決が行われる所得税法、地方税法が審議入りの目途さえ立っていない。国の予算は歳入(税収)があってこそ成り立つのであり、歳入の根拠法である所得税法、地方税法がないまま予算が成立してもまったく意味がない。また、和歌山県議会でも県の予算が承認されたところであるが、これは国会で地方税法が成立することを前提としており、現在の国会の混乱は地方にも大きな迷惑をかけることになる。
 同様に、日本銀行の総裁に関しても戦後初めて空席になるという事態に立ち至っている。日銀総裁を選任するというのはあくまでも内閣の行政権の行使であって、国会はよほど酷い人選が行われることがないよう監視するという意味で「同意」の権能が与えられているのであって、「前歴が気にくわないから」とか「前回も反対したから」という理由で「不同意」という結論を導くのはあまりにも無責任であり、国会同意の権能の濫用ともいえよう。特に政府から一番目に内示された武藤敏郎氏は、人格、経験、識見とも非常に高いレベルにある人物で、日本の中央銀行総裁として世界に恥じない人物であった。この人物を「財務省の事務次官であった」ということで不同意としたことは本当に悔やまれる。
 また、不同意を決定する手続きもきわめて強引であった。民主党は武藤氏から所信の聴取と質疑を行った直後に、採決のための本会議を設定しようとしたのである。本会議を設定する権限を持つ議院運営委員会理事会で、私は「所信内容の吟味も行わないうちに、不同意を前提として本会議を立てるのはおかしい」と猛抗議したが、議運委員長は聞き入れなかった。私は理事会中に席を蹴って立つことによって抗議の意思表示をせざるを得なかった。
 日銀総裁空席という事態を再発させないために、私は国会同意人事の枠組みそのものを見直す必要があると考えている。総理大臣の指名でさえ衆議院の議決が優先するようになっている。日銀総裁に関しても、衆参が異なる議決をした場合には、衆議院で再可決できるようにすべきである。
 このような混乱する国会ではあるが、国会の赤十字といわれる議院運営委員会の与党側筆頭理事として、事態の収拾に奔走している。他の委員会が正常に機能しない中だが、議院運営委員会の理事会は毎日開催し、民主党に対して、所得税法、地方税法の審議入りについて強く求めている。今日(26日)も、各委員会の与党理事の署名を集め、総務、財政金融、国土交通の各委員長に対して委員会を開催するよう申し入れてもらい、議運も連動して所得税法、地方税法等の委員会への付託を要求した。
 しかし、民主党は頑なに応じる姿勢を見せていない。このままでは国民や地方に大きな迷惑をかけてしまう。参議院無用論にもつながりかねない。大変な危機感を持ちながら年度末に向け、議運筆頭理事として全力で取り組む所存である。


(2008世耕弘成)
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