わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2008年12月02日

ganba_title.jpg
自然大切にし楽しむ習慣を ノーベル賞受賞者たちに学ぶ
5_5.gif ■2008西博義

 11月16日の日曜日に、 田辺市の紀南文化会館で 『森の学校』 という映画を鑑賞した。
 公開されて6年になるが和歌山県では初めての上映である。
 この 『森の学校』 は、 京都大学名誉教授でサル学の世界的権威・河合雅雄氏の 『少年動物誌』 を映画化したものである。
 河合家の兄弟は、 有名な臨床心理学者で文化庁長官に就かれた河合隼雄氏をはじめ、 あとの4人は学者・医師・歯科医師の学者一家として有名である。
 さて、 映画は、 故郷・丹波篠山を舞台に、 病弱ではあるが腕白な雅雄少年が、 歯科医の父や心優しい母と5人の兄弟、 大勢の少年たちに囲まれての日常が再現されている。
 大自然や動植物に興味をもちながら伸び伸びと成長していく姿に、 戦前戦後の違いはあるが、 思わず自身の子ども時代をダブらせた。
  『少年動物誌』 のあとがきには 「学校で学ぶことはすくなかったけれども、 自然からはあふれるばかりたくさんのことを学びました。 (略) 自分ひとりで学ぶというくせは、 大きくなってからも、 たいへん役に立ちました」 と述べている。
 10月初旬に相次いで日本人のノーベル賞受賞の発表があった。
 これらノーベル賞受賞者たちは、 まさに、 神秘に包まれた自然から真理を探求し続けた人たちである。
 日本人受賞は、 6年ぶりとなったが、 一挙に4人、 いずれも30年以上前の研究業績が認められたものである。
 ノーベル物理学賞は南部陽一郎、 小林誠、 益川敏英の3氏。
 研究テーマは湯川秀樹氏以来、 日本の伝統的な素粒子物理学での受賞である。 素粒子というのは、 物質を構成するクォークなど究極の粒子のことである。
 素粒子物理学では 「物質の究極的な構造や自然界の力の本質」 を研究する、 いわば宇宙の根源を解明する学問と言えよう。
 共通したテーマは 「素粒子物理学における対称性の破れ」 に関する研究といわれているが、 私の貧弱な知識では到底理解できない。
 一方、 化学賞の下村脩氏は、 緑色蛍光タンパク質 (GEP)の発見での受賞である。
 彼は世界で初めてオワンクラゲから光に反応して光るGEPを分離した。
 最近になって、 同時受賞の研究者がGEPを遺伝子にくっつける手法を開発し、 一躍クローズアップされた。
 それは、 細胞を生かしたまま、 GEPをくっつけた遺伝子の働きを観察できるため、 万能細胞研究をはじめ、 医学や生物学の研究には欠かせないからである。
 同じく、 『少年動物誌』 のあとがきには、 「文明が進めば進むほど、 一方では、 人間の心が荒らされていく危険が大きくなっていくことに、 警戒しなければなりません」 とあり、 そのためには 「一つは自然を大切にし、 子どものときに自然を楽しむ習慣をつけること」 と述べている。
 4人の受賞のように自然から学び、 自然に親しめるよう、 「農山漁村交流プロジェクト」 の推進など環境づくりにこれまで以上に取り組んでいきたい。


(2008西博義)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio