わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2009年01月27日

f_tsuruho.jpg
ganba_title.jpg
今やらねばならないことは 冷静かつ大胆に政策を打ち出す
5_5.gif ■2009鶴保庸介

 今年の正月のおみくじではないが、 待ち人こず。 まだ民主党からの連絡はこない。
 二次補正予算案を審議する予算委員会が始まって三日目。 委員会の理事である私はそろそろ質疑を打ち切って採決をと要求したが、民主党側はもう少し審議を、と理事会を呼びかけても出てこない。その結果、今この時間はただひたすら待つはめになっているのである。
 二次補正における主な論点は国民的に関心の高い定額給付金と、 昨年末に話題となった 「年越し派遣村」 に代表される雇用問題である。 定額給付金とは、 各家庭に一律一人1万2千円を支給するというもので、 総額で国費二兆円を投入するというものであるが、 ご存知のとおり、 このことについてはマスコミはじめ多くの国民の関心を呼び、 このことを理由に自民党所属の国会議員が離党するなど大騒ぎの様相を呈している。
 しかし、 ここではあえてこのことの是非には触れない。 問題としたいのは、 われわれにとって何が大切かということへの問題提起である。 確かに二兆円あったら何ができるかということには国民の関心が高いと思うが、 その使い道は各地方自治体に任されているのであって、 工夫次第である。 たとえば皆さんの地域がもし、 給付金をばら撒きの愚策として反対、 一色だとしたら、 その方々から寄付を募って少しでも公的な役割に使ってもらおうとすることだってできる。 事実、 東京の足立区役所などではそうした呼びかけをしているのである。
 では何に使ってもらいたいか。 この点、 和歌山では明白である。 アンケート調査を取ると、 道路がダントツ、 だからである。 アンケートなど信用ならない、 と批判するあなたなら何に使ってほしいかと問うと、 医療から教育、 観光に防災とそれこそもう収拾がつかない。
 つまり、 国が2兆円を全額道路に使いますとやっても、 おそらく考えの違う方々からはごうごうたる非難が出るのである。
 医療でも教育でも同じこと。 これらは特に2兆円では目に見える形で結果が出づらいため、 目玉政策として打ち出しにくいという難点もある。
 要するに、 今私たちは批判のための批判をしてしまってはいないか。 何を、 どうしたい、 という観点からの批判をしているか。 マスコミがさわぐから熱病のように一時的にうなされてしまってはいないか。ということにもっと謙虚であるべきではないのか。
 たとえば、 ガソリンの暫定税率の引き下げにあれほど騒いだのは記憶に新しいと思う。 私たちはあの時、 税率維持のために和歌山市内をデモ行進した。 結果、 恐ろしいほどの中傷が殺到したが、 ガソリンの値段が下がった最近にあってはまったく批判は来ない。 どころか、 税率維持のおかげで県内の道路計画をとどこおおりなく進めるよう大きな顔で主張できると感謝さえされている。 府県間、 県県間道路しかり、 京奈和、 紀勢線しかり、 市内幹線補助国道しかり。 ガソリンの値上がりに対処することと、 税率をさげるのは筋が違うのである。
 冷静に考えてほしい。 雇用問題についても、 年越しもままならない労働者が数百人集まったからといって、 本当にニーズのある派遣労働を全面的に禁止してよいのか。
 景気の低迷する昨今、 家計を助けようと職能を持った主婦が労働力を気軽に提供できる機会を奪ってしまってはならないのではないか。 学生が学業と両立させながら少しだけ働きたいと思う気持ちにこたえる仕組みをなんらかで残してあげるべきではないか。
 年越し派遣村に来た人の中には静岡からやってきたという人がテレビで放映されていたが、 こうした人に社会的弱者として税金を投入することが政策だろうか。 雇用への施策はもっと別にあるのではないか。
 やらねばならないこと、 工夫の仕方はいくらでもあることを私は考えるがいかがだろう。 冷静にそして大胆に政策を打ち出していきたいと思う。


(2009鶴保庸介)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio